NIKKEI Prime(日経プライム)とは
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2024年3月末、1973年創刊の日経専門誌「日経産業新聞」が51年の歴史に幕を閉じ、休刊します。そして新たに電子版「日経プライム」として生まれ変わります。
今回はこの日経プライムの内容について解説します。
日経新聞シリーズの概要
日経新聞は本誌である「日経新聞」の他に、これまで流通・小売を扱う「日経MJ」、製造業などの産業界を扱う「日経産業新聞」、金融・投資を扱う「日経ヴェリタス」と計4種の新聞を発行していました。
特に日経産業新聞は、MJが月・水・金の週3回発行なのに対し、日経産業新聞は月から金曜日までの週5回発行とボリュームが大変多い媒体なので、非常に掲載ハードルが高い「日経本誌」に比べ、報道枠も大きく、広報担当者がターゲットとするのにベターな産業新聞でした。
休刊の理由を部数減少としているメディアも見受けられますが、特に企業のキーパーソンへの影響力はいまだ衰えていないでしょう。
特に、現在の日経新聞は読者の4割が電子版ユーザーということで、紙の部数減少はあまり考慮しなくても良いかもしれません。
日経プライムとは
さて、この「日経産業新聞」が2024年3月末をもって休刊となり、新しいWEBメディア「日経プライム」が取って代わりスタートします(既に一部はスタート済)。
日経プライムのカテゴリー
日経プライムは以下大きく3つのカテゴリーに分かれているようです。
- 自動車産業を扱う「NIKKEI Mobility(モビリティ)」
- 環境を扱う「NIKKEI GX」
- 技術を扱う「Tech Foresight(テックフォーサイト)」
簡単にまとめると、以下のようになります。
この3つのわけ方から推測するに、日経新聞はニュースを主にこのカテゴリー中心に扱っていくということでしょうか。
自動車
自動車は市場規模63兆円とも言われ、日本の全製造業における売上高の20%近くを占めるそうです。自動車関連産業の就業人口も約550万人と、人口の5%も占める巨大産業です。
ここに今後「自動運転」が加わることで、大きな潮流が生まれ、日経新聞が扱う自動車ネタは今後更に増えてくることでしょう。
技術
Tech Foresightは、更に「デジタル」、「ハードウェア」「知財」とカテゴリわけされています。
技術に関しては、キーワードとして「半導体」「AI」「量子コンピュータ―」「ロボット」が記載されています。
特に現在LLMなどの生成AIの登場が、経済市場に大きなインパクトを与えています。日経新聞に取り上げてもらうキーワードとして、AIとロボットは欠かせない要素となってくるでしょう。
環境
NIKKEI GXのキーワードは「グリーントランスフォーメーション」。世界で起こっている脱炭素の流れに沿ったカテゴリとなっています。
環境コンテンツは、広告としても扱いやすいのかもしれません。
nikkei.comの視聴ユーザーをチェック
similarwebでnikkei.comの視聴ユーザーを確認してみると、男性が7割女性が3割。これはどの新聞社サイトも同じ比率のようです。
年齢層は日経だけ25~44歳までが比較的多いことが分かります。
デバイス重複を除いたユーザー数は月間2,300万と新聞社の中では最も多く、1人あたりの閲覧数も3件と多いことが分かります。
日経ヴェリタスも休刊?
FACTAによると金融・投資を扱う「日経ヴェリタス」もこのタイミングで休刊となると報じられています。
しかしオフィシャルでは休刊に触れた記事は見つからなかったので、こちらは誤報の可能性もあります。
どうなる日経!?
ちなみに日経自身で日経プライムは3メディアと紹介しているのですが、サイトに飛ぶと
「NIKKEI Digital Governance(AI特化)」
「NIKKEI FT the World(Financial Timesを解説)」
「Minutes by NIKKEI(日経記事を要約)」
という新たに3つ、計6カテゴリーのメディアが紹介されています。
この計6メディアそれぞれで購読料が発生するようで、さらに日経産業新聞本紙を見ると、4つのカテゴリーを紹介しています。
こうした分かりづらいカテゴリ分けが功を奏すかどうか今後注目です。
ちなみにMinutes by NIKKEは、難解な記事を記者が人的に要約してくれるようですが、これこそLLMで自動化できるサービスですね。
このあたりはLLM(GPT4)登場前にスタートした企画なのかもしれません。
以上、日経プライムの解説記事でした。