
【2020年上半期】ガイアの夜明けの特集内容から見るコロナ禍の報道傾向の変化
パブリシティ枠の最難関枠ともされるテレビ東京の「ガイアの夜明け」。
2017年12月には社長への突撃取材を通してレオパレス21問題をスクープするなどWBSと並び、報道の先陣をきってきました。
2020年からは江口洋介さんから松下奈緒さんに案内人のバトンを渡し、毎週火曜日に放映されています。
ほぼ毎日出稿される日経新聞やワールドビジネスサテライトと比べ、週1回(年約48回)という枠の少なさも希少性となっており、
・相当なネタでないと企画にすら上げてもらえない
・撮影期間が半年以上にも及ぶなどとても長い
・撮影が進んでもボツになるケースもある
という声も少なくありません。
2020年上半期の番組テーマを可視化
今回は2020年上半期に放映された25番組の内容から、コロナ禍でどのような傾向が出ているかを探っていきたいと思います。
利用したのはガイアの夜明けWEBサイトの番組内容のテキストデータで、Pythonのワードクラウドライブラリでワードクラウド化したものがこちらです。
2020年上半期放映テーマ
「コロナ」「感染」そのものがテーマとして取り上げられている他、「医療」や「飲食・料理」といったフード関連のワードが多いことが分かります。
3/10には「見えない敵と闘う~“新型コロナ”に立ち向かう企業~」で初めてコロナ特集を組んだ後は、3/24「ニッポンの"食"を守る!~コロナショックを乗り切れ~」、6/23「飲食店を救う"ドクター"に密着!コロナ禍で定点観測」、6/30「"幸せ食堂"の365日」など飲食関連の特集が続きます。
2019年下半期と比較
分かりやすいよう2019年下半期の番組テーマ(26番組)と比較してみます。
2019年下半期放映テーマ
コロナ以前でも共通しているのが「開発」というキーワードです。
開発と言っても「絶品グルメを開発」や「旅のツアーを開発」など、無形商材でも扱われており、「新たな開発」が番組の基本共通テーマとなっていることが分かります。
2019年9月17日には「華麗なるカレー戦争2」が取り上げられており、こちらで「カレー」というワードが目立つ結果となりました。
共通テーマは「日本の課題」✕「新たな開発」
実際に番組元プロデューサーである野口雄史さんの著書「兆しをとらえる」でも、番組テーマは下記のようなテーマでネタ探ししているそうです。
①「水面下で動いている企業・開発の裏側」
②「日本経済が抱えている様々な問題」
この本でも開発というワードが繰り返し出てきます。そして長い撮影ロケ期間を経た中での「何かしらの変化」を映すことも重要だと書かれています。
パブリシティ枠として狙うのが非常に難しいガイアの夜明けですが、アプローチされる際はこのような元プロデューサーが出されている本などを参考にして、なぜ今ガイアの夜明けでそれを取り上げる必要があるのかを練りに練ってアプローチされることをお勧めします。