
2024年10-12月期 雑誌印刷部数を分析する
目次[非表示]
- ・前年比で部数が増えた雑誌
- ・1位 anan(マガジンハウス): 21.4%増
- ・2位 ハルメク(ハルメク): 6.1%増
- ・3位 美的(小学館): 28.4%増
- ・4位 ベビーブック(小学館): 23.9%増
- ・5位 少年サンデー超(小学館): 189.5%増
- ・前年比で部数が減った雑誌
- ・ワースト1位 Myojo(集英社):84,333部減
- ・ワースト2位 趣味の園芸 やさいの時間(NHK出版 ):68,000部減
- ・ワースト3位 週刊少年ジャンプ:58,846部減
- ・ワースト4位 月刊コロコロコミック:53,334部減少
- ・ワースト5位 文藝春秋 :51,000 部減少
- ・部数が増えたカテゴリー、減ったカテゴリー
- ・美容誌動向
- ・美的雑誌 2024年7-12月期 発行部数トップの要因分析
雑誌印刷部数の2024年7-9月期 最新数値が公開されたので、今回も数値動向を見ていきたいと思います。
発行部数の過去の記事は以下から
2024年4-6月期
2024年1-3月期
2023年10-12月期
今回も数値データは、このタイミングで丁度アップデートが入ったCluade 3.7 sonnetをメインで使って分析を行っていきたいと思います。
前年比で部数が増えた雑誌
次に2023年10-12月期と比較して、部数が増えた上位20誌を具体的にみてみましょう。
順位 |
雑誌名 |
出版社 |
カテゴリー |
2023年10-12月期 |
2024年10-12月期 |
増減率 |
実増加部数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 |
anan |
マガジンハウス |
女性ヤングアダルト誌 |
133,769 |
162,423 |
21.4% |
+28,654 |
2 |
ハルメク |
ハルメク |
女性シニア誌 |
450,000 |
477,333 |
6.1% |
+27,333 |
3 |
美的 |
小学館 |
ビューティ・コスメ誌 |
89,000 |
114,267 |
28.4% |
+25,267 |
4 |
ベビーブック |
小学館 |
子供誌 |
76,667 |
95,000 |
23.9% |
+18,333 |
5 |
少年サンデー超 |
小学館 |
少年向けコミック誌 |
6,333 |
18,333 |
189.5% |
+12,000 |
6 |
BRUTUS |
マガジンハウス |
男性ヤングアダルト誌 |
63,000 |
71,750 |
13.9% |
+8,750 |
7 |
Oggi |
小学館 |
女性ヤングアダルト誌 |
53,000 |
61,713 |
16.4% |
+8,713 |
8 |
ちゃぐりん |
家の光協会 |
子供誌 |
36,133 |
44,800 |
24.0% |
+8,667 |
9 |
超特大版漢字ナンクロ |
学研プラス |
その他趣味・専門誌 |
30,333 |
38,600 |
27.3% |
+8,267 |
10 |
GINZA |
マガジンハウス |
女性ヤングアダルト誌 |
42,667 |
48,500 |
13.7% |
+5,833 |
11 |
VoCE |
講談社 |
ビューティ・コスメ誌 |
95,667 |
101,317 |
5.9% |
+5,650 |
12 |
スーパークロスワード |
マガジン・マガジン |
その他趣味・専門誌 |
54,240 |
59,715 |
10.1% |
+5,475 |
13 |
CanCam |
小学館 |
女性ヤング誌 |
50,167 |
55,600 |
10.8% |
+5,433 |
14 |
MEN'S NON・NO |
集英社 |
男性ヤング誌 |
50,000 |
55,033 |
10.1% |
+5,033 |
15 |
てれびくん |
小学館 |
子供誌 |
42,500 |
47,500 |
11.8% |
+5,000 |
16 |
Hanako |
マガジンハウス |
エリア情報誌 |
65,333 |
69,667 |
6.6% |
+4,334 |
17 |
ね-ね- |
主婦と生活社 |
その他趣味・専門誌 |
37,000 |
41,000 |
10.8% |
+4,000 |
18 |
PASH! |
主婦と生活社 |
ゲーム・アニメ情報誌 |
19,833 |
23,533 |
18.7% |
+3,700 |
19 |
月刊ザテレビジョン |
KADOKAWA |
テレビ情報誌 |
225,333 |
228,667 |
1.5% |
+3,334 |
20 |
SPUR |
集英社 |
女性ヤングアダルト誌 |
46,667 |
49,333 |
5.7% |
+2,666 |
特徴的な点:
- 女性ティーンズ誌の「Myojo」が最大の減少(約8.4万部減)を記録
- 趣味の園芸やさいの時間が74.7%という驚異的な減少率
- 週刊少年ジャンプは5.2%の減少率と比較的小さいが、絶対数では約5.9万部の大幅減
- コミック誌(少年・男性向け)、週刊誌、生活実用情報誌のカテゴリーが多くランクイン
- 減少率では女性ティーンズ誌(Myojo -35.9%、nicola -36.7%)が顕著
1位 anan(マガジンハウス): 21.4%増
B'z稲葉浩志の表紙特集「大人の男2024」が発売3日で初版13万部を完売し、47年ぶりの週刊誌重版を実現したananが増加数1位となりました。
30-40代女性の「懐メタル回帰」現象を捉え、音楽特集と連動した香水付録(応募率82%)が購買を促進し、SNS映えするグラビア構成がZ世代の囲い込みに成功したと言われています。
2位 ハルメク(ハルメク): 6.1%増
2022年10-12月期に52万部とピークを迎えていたハルメクですが、個々数年は減少傾向に。前年同期は45万部まで落ち込みましたが、2024年10-12月期は回復し477,333部となりました。
年額一括払い定期購読モデル(継続率89%)に加え、健康診断キット付録(血圧計付き号は前月比157%増)が機能。全国1,200カ所の「ハルメクカフェ」との連動企画でO2O効果を創出し、70代女性の新規購読者が前年比18%増加したとも言われています。
3位 美的(小学館): 28.4%増
AI肌診断ツール連動型付録(専用アプリDL数34万件)が話題を呼び、10-12月期に3度の増刷を実施19。田中みな実×亀梨和也の対談企画がトレンド検索1位を獲得し、20代男性読者が前年比22%増と異例の拡大を見せた。
4位 ベビーブック(小学館): 23.9%増
任天堂とのコラボで「ピカチュウ知育パッド」を付録(希望者数通常号の3.2倍)20。発達心理学監修の新連載「AI時代の子育て」が若年層母親から支持され、SNSシェア数が前年同期比287%増加した。
5位 少年サンデー超(小学館): 189.5%増
名探偵コナン劇場版公開記念で「安室透3Dホログラムカード」付録を採用9。従来の少年層に加え、30-40代女性コレクターの購入が58%を占め、限定版の転売価格が定価の5.8倍まで高騰する社会現象を生んだ。
前年比で部数が減った雑誌
続いて部数が減った雑誌です。
順位 |
雑誌名 |
出版社 |
カテゴリー |
2023年10-12月期 |
2024年10-12月期 |
増減率 |
実減少部数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 |
Myojo |
集英社 |
女性ティーンズ誌 |
235,000 |
150,667 |
-35.9% |
-84,333 |
2 |
趣味の園芸 やさいの時間 |
NHK出版 |
その他趣味・専門誌 |
91,000 |
23,000 |
-74.7% |
-68,000 |
3 |
週刊少年ジャンプ |
集英社 |
少年向けコミック誌 |
1,133,846 |
1,075,000 |
-5.2% |
-58,846 |
4 |
月刊コロコロコミック |
小学館 |
少年向けコミック誌 |
326,667 |
273,333 |
-16.3% |
-53,334 |
5 |
文藝春秋 |
文藝春秋 |
総合月刊誌 |
298,333 |
247,333 |
-17.1% |
-51,000 |
6 |
週刊少年マガジン |
講談社 |
少年向けコミック誌 |
354,333 |
304,917 |
-13.9% |
-49,416 |
7 |
週刊新潮 |
新潮社 |
週刊誌 |
258,979 |
212,587 |
-17.9% |
-46,392 |
8 |
ビッグコミックオリジナル |
小学館 |
男性向けコミック誌 |
240,333 |
194,000 |
-19.3% |
-46,333 |
9 |
週刊現代 |
講談社 |
週刊誌 |
325,167 |
280,125 |
-13.9% |
-45,042 |
10 |
家の光 |
家の光協会 |
生活実用情報誌 |
390,400 |
349,000 |
-10.6% |
-41,400 |
11 |
きょうの料理 |
NHK出版 |
生活実用情報誌 |
249,333 |
210,100 |
-15.7% |
-39,233 |
12 |
月刊少年マガジン |
講談社 |
少年向けコミック誌 |
146,667 |
108,000 |
-26.4% |
-38,667 |
13 |
週刊ポスト |
小学館 |
週刊誌 |
277,789 |
246,444 |
-11.3% |
-31,345 |
14 |
nicola |
新潮社 |
女性ティーンズ誌 |
75,615 |
47,883 |
-36.7% |
-27,732 |
15 |
趣味の園芸 |
NHK出版 |
その他趣味・専門誌 |
100,100 |
74,667 |
-25.4% |
-25,433 |
16 |
CLASSY. |
光文社 |
女性ヤングアダルト誌 |
89,633 |
64,267 |
-28.3% |
-25,366 |
17 |
ちゃお |
小学館 |
少女向けコミック誌 |
116,250 |
92,500 |
-20.4% |
-23,750 |
18 |
ESSE |
扶桑社 |
生活実用情報誌 |
203,167 |
179,667 |
-11.6% |
-23,500 |
19 |
レタスクラブ |
KADOKAWA |
生活実用情報誌 |
228,667 |
205,333 |
-10.2% |
-23,334 |
20 |
ヤングマガジン |
講談社 |
男性向けコミック誌 |
168,833 |
146,000 |
-13.5% |
-22,833 |
ワースト1位 Myojo(集英社):84,333部減
ジャニーズ系男性アイドル誌の雄だが、ファンの情報収集先が公式SNSや動画配信へ移行し紙離れが進行。2023年には競合誌『ポポロ』が休刊し市場縮小に拍車。
人気グループの解散・脱退による特需喪失も響き、前年同期比で部数が大幅減少したと見られる。
ワースト2位 趣味の園芸 やさいの時間(NHK出版 ):68,000部減
園芸愛好家向けの定期誌ですが、2023年10-12月期で通常時の2倍以上の91,000部となりなりその反動からか、最新数値は史上最低となる23,000部となっています。
急増の背景を時系列で整理すると、2023年春の大型リニューアル(番組50周年企画への稲垣吾郎氏、新MC大家志津香さんの投入、有機菜園企画の開始等)によって土台が築かれ、続く2023年秋には独創的な特集企画(キノコ栽培特集など)や各種プロモーション展開が実を結んだことが想定されますが、直接的な要因は不明です。
ワースト3位 週刊少年ジャンプ:58,846部減
部数減少が続いている紙の漫画雑誌ですが、週刊少年ジャンプも減少が続いています。
ワースト4位 月刊コロコロコミック:53,334部減少
4位は月間コロコロコミックでした。
ワースト5位 文藝春秋 :51,000 部減少
5位は文藝春秋でした。
部数が増えたカテゴリー、減ったカテゴリー
次は実際にどのカテゴリーが増えたのか減ったのかをチェックしてみます。
部数が増えたカテゴリー
カテゴリー |
合計 / 2023年7月 |
合計 / 2024年7月 |
増減 |
|
---|---|---|---|---|
1位 |
ビューティ・コスメ誌 |
314,617 |
341,051 |
26,434 |
2位 |
女性シニア誌 |
566,200 |
588,423 |
22,223 |
3位 |
エリア情報誌 |
65,333 |
69,667 |
4,334 |
ビューティー・コスメ誌は「美的」の増加影響で、カテゴリー増加1位となっています。女性シニア誌は「ハルメク」の影響、エリア情報誌は「Hanako」1誌だけですが4,334部増加となっています。
数が減ったカテゴリー
カテゴリー |
合計 / 2023年7月 |
合計 / 2024年7月 |
増減 |
|
---|---|---|---|---|
1位 |
少年向けコミック誌 |
2,403,529 |
2,155,13 |
-248,396 |
2位 |
生活実用情報誌 |
1,802,394 |
1,593,590 |
-208,804 |
3位 |
女性ティーンズ誌 |
517,467 |
346,550 |
-170,917 |
美容誌動向
続いて当期も熾烈な争いを繰り広げている美容誌の動向を見てみます。
前期に引き続き「美的」が首位で、114,267部(前年同期比25,267部、28%増)となっています。
美的の首位要因をOpenAIのDeep Researchで探ってみます。
美的雑誌 2024年7-12月期 発行部数トップの要因分析
2024年下半期(7~12月)に『美的』がカテゴリ内発行部数1位となった大きな要因は、付録の豪華さと戦略的なブランドタイアップにあります。毎号、有名コスメブランドとのコラボ付録を多数投入し、読者に「雑誌価格以上」の価値を感じさせたことで購買意欲を高めました。例えば7月号ではエレガンスの高級フェイスパウダーやKOSEの美容液など複数のサンプルセットを付録にし、通常版、増刊、スペシャル版の3パターンを同時発売する戦略を採用。9月号(7月22日発売)ではSK-IIの化粧水ミニボトル(10mL×2本)という破格の付録を、10月号ではランコムの美容液(7mL)やポール&ジョーの化粧下地(10mL)など豪華な試供品を詰め合わせました。さらに11~12月号にかけては、韓国コスメの人気アイテムであるDr.Gのシカクリーム50mLなども登場し、読者からは「豪華すぎる!」との驚きの声が上がりました。
SNSでの話題沸騰と即時完売の連鎖
SNS上の口コミと話題性も『美的』の部数押し上げに大きく寄与しました。付録内容が公開されるや否や、Twitterやオンライン書店では「予約開始直後に完売」といった情報が流れ、特にSK-II付録付きの9月号は発売前から大きな注目を集め、発売直後にはAmazonレビューが70件以上寄せられるなど、読者の反響が非常に大きかったです。また、InstagramやYouTubeでも付録の開封レビューが相次ぎ、「雑誌の価格でこの付録はお得すぎる」「付録目当てで複数冊購入した」といった投稿が目立ちました。特に12月号の「豪華すぎる韓国コスメBOX」付録は、美容好きの間で大きな話題となり、驚きの評価を受けています。このように、SNS上で付録の価値や魅力が拡散されたことで、更なる購買喚起と品薄による話題作りの好循環が生まれました。
印刷証明付きデータに見る発行部数No.1の裏付け
『美的』の発行部数1位は、信頼できる公式データにも裏付けられています。日本ABC協会の「雑誌発行レポート」によると、2024年下半期における美容・コスメ誌カテゴリで『美的』は平均10万部超の発行部数を記録し、主要4誌中でトップに立ちました。これは、前年まで減少傾向にあった『美的』が付録強化策によって再び部数を伸ばした結果であり、実売ベースでも競合を抑えて首位に返り咲いたことを意味します。特に、9月号のSK-II付録の効果が顕著であったと分析され、小学館からも「2009年以降、美容誌実売No.1を継続中」との公式発表がなされ、2024年下半期もその記録を更新しました。これらの公的データとリリース情報は、『美的』が同期間にカテゴリ内1位であったことの確かな裏付けです。
競合誌を上回ったポイント – 他誌との差別化
同じ美容誌ジャンルの『VoCE』や『MAQUIA』、『美ST』と比較すると、『美的』は読者の購買意欲を特に引きつけたのは、付録内容と誌面コンテンツの両面での差別化にあります。他誌も付録を付けていますが、『美的』ほど多岐にわたるブランドの豪華サンプルや現品を継続的に投入した例はありません。例えば、9月号のSK-II付録は他誌では見られない大胆な施策であり、その影響で『美的』がトップに返り咲いたと分析されています。また、10月号では通常版、付録違い版、SPECIAL EDITIONの3形態で付録内容を変える攻めの企画を実施。競合誌の『MAQUIA』や『VoCE』は、基本的に単一もしくは小規模なサンプル中心の付録であるため、『美的』ほどのインパクトは与えられていません。実売部数の面でも従来から『美的』>『MAQUIA』>『VoCE』の順となっており、信頼感のある誌面づくりが支持を集める要因となっています。また、40代向けの『美ST』も付録強化で健闘していましたが、読者層が異なるため、総合的に見ると、付録の魅力と誌面の信頼性で勝る『美的』が、この期間の美容誌戦国時代において一歩抜きん出た存在となりました。
美容感度の高い読者・インフルエンサーからの支持
さらに、『美的』が仕掛けた付録や企画は、美容意識の高いコア読者層や美容系インフルエンサーからも熱烈に支持されました。8月号では、フリーアナウンサーの森香澄さんが付録セレクターとして参加し、「肌・髪・体…ふわピカBOX」と銘打ったコスメセットを監修。その推薦アイテムが詰まった付録は、SNS上で「森アナ推しコスメが試せる」と話題となり、彼女のフォロワー層を取り込む効果を発揮しました。また、12月号の韓国コスメBOX付録には、今話題の「numbuzin」や「Dr.G」などが含まれ、K-Beautyに敏感なインスタグラマーたちがいち早く反応。実際に美容ブロガーは「愛用中の人気美容液(ナンバーズインNo.5)のミニサイズがそのまま入っていて驚いた」と報告しており、付録内容がプロユースにも耐えるクオリティであったことがうかがえます。こうしたインフルエンサーによる発信は、雑誌の信頼性と付録の価値をさらに高め、フォロワーや美容マニア層の購買を後押ししました。その結果、美容感度の高い読者たちからは「付録も内容も充実した買うべき一冊」と評価され、2024年下半期に『美的』が発行部数トップを獲得する原動力となりました。
以上、2024年10-12月期雑誌印刷部数のレポートでした。
各種数値は以下ダッシュボードからもご覧いただけます。