2024年1-3月期 雑誌印刷部数を分析してみる
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※最新データはこちらからご確認ください。
雑誌印刷部数の2024年1-3月期 最新数値が公開されたので、今回も数値動向を見ていきたいと思います。
発行部数の過去の記事は以下から
2023年10-12月期
2023年7-9月期
2023年4-6月期
2023年1-3月期
部数が増えたカテゴリー、減ったカテゴリー
部数が増えたカテゴリー
カテゴリー |
2023年1-3月期 |
2024年1-3月期 |
増減 |
|
---|---|---|---|---|
1位 |
子供誌 |
763,067 |
776,300 |
+13,233 |
カテゴリー別合計値の比較から見ると、部数が増えたカテゴリーは「子供誌」のみで、13,233部増加しています。
これは後述する「小学一年生」が影響した結果だと思われます。
部数が減ったカテゴリー
カテゴリー |
2023年1-3月期 |
2024年1-3月期 |
増減 |
|
---|---|---|---|---|
1位 |
少年向けコミック誌 |
2,726,138 |
2,337,632 |
▲388,506部 |
2位 |
その他趣味・専門誌: 部減少 |
1,846,728 |
1,619,149 |
▲227,579部 |
3位 |
生活実用情報誌 |
1,817,033 |
1,601,987 |
▲203,453部 |
部数が減ったカテゴリーでは、少年向けコミック誌が最も減少数が大きく、388,506部の減少となっています。
上記は少年向けコミック誌の合計部数の推移です。2009年には800万部だったものが、最新では233万部まで下がっています。
前年比で部数が増えた雑誌
次に2023年1-3月期と比較して、部数が増えた上位20誌を具体的にみてみましょう。
最も部数が伸びた雑誌は「小学一年生」でした。
71,000部の増加となり、45.5%増となっています。
小学一年生
要因は2024/2/22売り「小学一年生2024年4月号」にて、ピカチュウめざまし時計を付録として付けたことが大きく影響していると思われます。
Harper’s BAZAAR
続いて、ハースト婦人画報社 のファッション誌「Harper’s BAZAAR」が35,467部の増加で、49.5%増となっています。
これは、2024年1月19日売り増刊号にてBTSジミンが表紙等に取り上げられたことが、バク売れに繋がったようです。
25ans
続いて3位には、同じくハースト婦人画報社の「25ans(ヴァンサンカン)」が22,733部増(33.6%増)でランクインしています。
こちらは2024年2月28日売り号にて、岸優太さんの特別版が大きく影響したと考えられます。
前年比で部数が減った雑誌
続いて前年同月比で、部数が減った雑誌を見ていきます。
週刊少年ジャンプ
最も部数が減った雑誌は「週刊少年ジャンプ」で、127,273部の減少(-11.3%)となりました。
Myojo
女性ティーンズ誌(アイドル誌)の「Myujo」は、コロナ禍の巣ごもり期に需要が上がり、V時回復をしたものの、2022年からは再度減少傾向に入り、2024年1-3月期は2019年の同水準まで減少しています。
週刊少年マガジン
苦境が続くコミック誌ですが、減少数3位となったのは「週刊少年マガジン」で、58,667部減少の
345,500部となっています。
コスメ・ビューティー誌の動向
部数を僅差で争う美容誌戦国時代は引き続き継続中の模様です。
2024年1-3月期で最も部数が多かったコスメ・ビューティー誌は「美的」で、前年同期比で3,400部の増加となっています。
MAQUIAは、田中みな実さんと亀梨和也さんの交際のきっかけとなったと報道されており、2024年1月には検索数も上がっています。
ハルメクが再度上昇傾向に
雑誌界では唯一部数増加傾向にあった女性シニア誌「ハルメク」ですが、ここ1年は減少傾向にありましたが、2024年1-3月期は再度上昇傾向に転じたようです。
ハルメクは50代の「プレシニア」をコアターゲットに掲げており、現在はネット事業である「ハルメク365」に注力しているようです。
決算資料には読者1人あたりの獲得単価も記載されており、興味深いです。
ハルメク自体は年間7,800円で、獲得単価は3,789円ということです。
以上、2024年1-3月期の雑誌印刷部数の数値解説でした。
部数データは、下記のLookerStudioでも公開中です。
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