【記事に繋がる】プレスリリースの書き方 10のポイント
当記事ではプレスリリース原稿をこれから作成する方、またリリースを活用して今まで以上にメディアへの露出を増やしたいという担当者の方に向けた記事内容となっています。
プレスリリースや各種コミュニケーション手法は時代と共に刻々と変化しています。時代に合わせた適切な広報手法で記事掲載を狙っていきましょう。
目次[非表示]
- ・プレスリリースとは
- ・プレスリリースの書き方のコツ【10のポイント】
- ・①プレスリリースの基本構成
- ・②ポイントは6W5H
- ・③逆ピラミッド構造で離脱を防ぐ
- ・④ニュース性を向上させる【7つのエッセンス】
- ・⑤リリースにアレを入れるだけで閲覧時間が21%アップ!?
- ・⑥ ◯◯を添えれば効果2倍!?“広告の父”オグルビーに学ぶレイアウト戦略
- ・⑦問い合わせ先は個人名と個人の連絡先を記載
- ・⑧1万件近くシェアされたリリースとは?生活者もターゲットに
- ・⑨プレスリリースはSEO対策になるか?
- ・⑩文章作成に困ったときは
- ・結果を出すためのプレスリリースの送り方
- ・メディアリストの作り方
- ・メールやFAXだけじゃない!?リリースの配信手法
- ・プレスリリースは宛先部署を間違えると無意味に
- ・リリースの配信タイミング
- ・月間1,500億PV「ヤフーニュース」に取り上げてもらうには
- ・プレスリリースのつまづきどころ
プレスリリースとは
「広告」と「広報」の違い
広告と広報は良く比較されるプロモーション手法ですが、改めて説明をしておきます。
「広告」は広告枠をお金で買い取り、そこに言いたいメッセージを乗せるプロモーション手法です。一方「広報(パブリシティ活動)」は、メディア(報道関係者)に「記事(ニュース)」として情報を伝えてもらう手法となります。
広告(advertisement) |
広報(Public Relations) |
|
---|---|---|
方法 |
メディアの広告枠を購入する |
記事(ニュース)として取り上げてもらう |
内容 |
企業の好きなメッセージを発信 |
記者(編集者)が取材などを通して第三者の視点で発信 |
掲載費用 |
有料 |
無料 |
掲載決定権 |
企業 |
報道関係者 |
内容の信頼性 |
低 |
高 |
掲載確率 |
確実 |
不確実 |
「広告」では企業が好きなメッセージを伝達できる反面、生活者からは一方的な情報と見られるため、信頼性は残念ながらあまり高くはありません。
一方、報道関係者が取材などを通して第三者視点で書いた「記事(ニュース)」は、広告に比べると信頼性も高く、より多くの生活者がしっかりと読み込む確率も高いため、認知や購買、態度変容などにより繋がり、影響力が高い情報ソースと言えるでしょう。
こうした記事として取り上げてもらうことを目的とした活動を、一般的に「パブシリティ活動」と呼びます。
ではどうしたらニュースとして取り上げてもらえるのでしょうか?
パブリシティ活動の要「プレスリリース」
こうした報道関係者への一般的なコミュニケーション手法としては、「プレスリリース(ニュースリリース)」を使った活動が一般的です。
「プレスリリース」とは、一般的に企業・団体が報道関係者に向けて情報を発表するための公式文書のことを指します。
A4縦型1~3枚ほどの横書きスタイルでまとめたものが一般的で、新商品や新サービスの発表、イベントやセミナーなどの開催告知、業績などのIR情報、謝罪文などとしても使われています。
簡単に言うならば、プレスリリースとはメディアに企業の情報をニュースとして取り上げてもらうための「企画書」です。
プレスリリースが世の中で初めて使われたのは、1906年にアメリカで発生した鉄道脱線事故の際の企業発表が最初とされており、以後企業が報道関係者に向けて情報を公開する際の一般的手法となっています。
2013年には、コカ・コーラ社がプレスリリースを撤廃する(Kill the press release)と発表し大きな話題となりましたが、この話題はなぜかすっかりと消えてしまい今に至ります。
なお、近年ではWEBサイト等で生活者へ情報を伝える手段としても使われるようになったため、「ニュースリリース」と使い分けされるケースもありますが、明確な定義があるわけではありません。
また似ているワードとして、ニュース性がそこまで高くない企業情報を、読み物形式としてメディアへ情報を提供する資料を「ニュースレター」などと呼んだりもします。
実際にプレスリリースはどのように作ればよいのでしょうか?
プレスリリースの書き方のコツ【10のポイント】
プレスリリースの伝達対象は、主にニュースや記事コンテンツを扱う報道担当となります。取り上げてもらいたい内容にもよりますが、一般的な企業だとまずは主要メディアとして下記5つのメディアをターゲットとして考えていくと良いでしょう。
通信社
新聞
雑誌
WEBニュース
テレビ
後述する「プレスリリースの送り方」で詳しく解説しますが、この他ラジオ番組、インフルエンサー、芸能人、ユーチューバー、ブロガーなど、影響力がある程度あり第三者意見を発信してくれるメディアは全てがターゲットになる時代です。
プレスリリースは「メディアにニュースとして情報を扱ってもらうための提案書」です。
基本的な内容は「新商品」や「新サービス」といった新しい(NEWS)情報や、「世の中の動き」などのトレンド情報などをもとに、ニュースバリューをアピールしていく流れとなります。
①プレスリリースの基本構成
さて、実際のプレスリリースはどのように作ればよいのでしょうか。
近年はWEBを使ったリリース配信サービスの普及により、テキスト文章のみ作るケースもありますが、プレスリリースは郵送やFAXで送信することも多いので、基本はA4縦型サイズの作成に慣れておくことをおすすめします。
文章の構成は何かルールがあるわけではありませんが、古くからの慣習もあることから縦A4横書きで、下記4つの要素をいれるのがおすすめです。
プレスリリースにはルールがあるわけではありませんが、これまでに様々な企業が発信していた一種の様式があるので、そちらから大きく逸脱しない形が望まれます。
基本は下記の4要素を必須とし、企業が持つニュース性)を、嘘偽りなく事実を的確に伝えることが重要となります。
タイトル
本文
会社概要
問い合わせ先
特に記者や報道関係者は1日に何通もプレスリリースを受け取ることになるため、なるべく簡素に短くまとめることも重要となります。
忙しい記者にも、重要なポイントを端的に短時間で伝える必要があります。
②ポイントは6W5H
一般的に文章作成時には5W1Hと呼ばれますが、プレスリリースでは6W5Hを基本として作成すると情報漏れを防げます。
Who(誰が)
What(何を)
Where(どこで)
When(いつ)
Why(なぜ)
Whom(誰を対象に)
How(どうやって)
How many(数)
How much(量・金額)
How long(時間・距離)
How in the future(将来)
文章は「です。ます。調」を基本に短く簡潔に。専門用語は使わず、誰もが理解できる(小学生にも伝わるような)簡素な文章を意識するとよいでしょう。
自社の商品やサービスが、いつ誰に向けて発売され、それによって世の中がどう良くなるのかを軸に、てにをはや主語・述語を明確にし、数字を意識して書くようにすると効果的です。
特になぜやるのかというストーリー要素をアピールできると、ビジネス媒体のインタビュー取材などに繋げやすいのでオススメです。
③逆ピラミッド構造で離脱を防ぐ
リリースに記載する情報は、新聞記事などで見られる「逆ピラミッド構造」を意識し、重要事項から優先して記載するようにしましょう。
④ニュース性を向上させる【7つのエッセンス】
プレスリリースには具体的にどのような内容を盛り込めばよいのでしょうか。
ニュースになる情報には一定の法則があります。下記7つのエッセンスを盛り込むことができれば掲載率は上がります。PRしたいネタの中に、アピールできる要素がないか入念にチェックしましょう。
新規性(New)
意外性(Surprising)
話題性(Topic)
地域性(Location)
希少性(Rare)
ストーリー性(Story)
社会貢献(Social Contribution)
新規性:日本初、世界初などの要素が組み合わさると最強です
意外性:驚きからもニュースが生まれます
話題性:SNSの発展でさらに重要エッセンスに
地域性:地元ならではの話題は地域メディアに取り上げられやすいです
希少性:珍しさもニュースになりやすい
ストーリー性:インタビュー記事などを狙う際に重要となります
社会貢献性:新聞に取り上げてもらう際に特に重要となります
これらを上手く掛け合わせて、ニュースバリューを最大限に訴求しましょう。
⑤リリースにアレを入れるだけで閲覧時間が21%アップ!?
海外のプレスリリース配信メディア「PRweb」の調査によると、画像のないリリースの平均2分18秒だったところ、画像付きのリリースは2分47秒と30秒近く滞在時間が増えたという結果が発表されています。
無機質になりがちなプレスリリースですが、写真は必ず入れるようにしましょう。
⑥ ◯◯を添えれば効果2倍!?“広告の父”オグルビーに学ぶレイアウト戦略
写真を入れるだけで閲覧時間を増やせることが分かりましたが、さらに簡単に閲覧率を増やす方法があります。
広告の父、デビット・オグルヴィの法則ともいわれているもので、写真の下にテキストでキャプション(説明)を入れるだけです。
オグルビーによると写真の下のキャプションは、本文の2倍読まれると言われており、様々な広告にこの手法が使われてきました。こうした法則はプレスリリースにも応用しましょう。
⑦問い合わせ先は個人名と個人の連絡先を記載
問い合わせ先を必ず記載するようにしましょう。
問い合わせ先には、企業・団体名、担当者名、連絡先(電話番号・メールアドレス・FAX番号)などを必ず記載してください(新聞記者などにはFAXで連絡する記者も少なくありません)。
その際、返信が遅れてしまう info@~ などの会社代表アドレスはなるべく使用せず、個人のアドレスを記載したほうが良いでしょう。
また急ぎの電話連絡にも対応できるよう、可能な限り携帯電話の番号を記載しておくのも重要ですです。
⑧1万件近くシェアされたリリースとは?生活者もターゲットに
プレスリリースは従来、報道関係者へ情報を発信するためのみに使われてきましたが、現在ではWEBやSNSの発展により一般の生活者にも情報を伝えるツールと変化してきています。
実際に下記プレスリリースは、Twitter上でコミケユーザーの間で人気となり、9,000件以上のシェアがされています。プレスリリースは報道関係者向けのみのツールではなくなってきているともいえるでしょう。
「外出にも使えるミーティングバッグ」を発売
https://www.kokuyo.co.jp/com/press/2018/02/2035.html
⑨プレスリリースはSEO対策になるか?
国内にはプレスリリースを配信するインフラサービスがいくつか存在します。こうしたプレスリリース配信サイトでは、大手ポータルサイトなどにリリースの原文をそのまま掲載することができます。
こうした提携サイトへの掲載は生活者に向けた情報発信の意味合いが強いですが、SEO対策にはなるのでしょうか。
結論から言えば、2013年以降グーグルのポリシー変更以降、リンクにはnofollowタグが付けられるようになったため、被リンクとしての効果はなくなりました。
ただし被リンクとしては意味が無いものの、現在グーグルニュース検索対策や、グーグルアラート対策になります。更にはグーグルニュースのレコメンドコンテンツとしてリリースページそのものがピックアップされるケースもあることが分かっています。
最近では、SmartNewsなどのニュースキュレーションアプリにも連動していることから、こうしたサービスもうまく活用していくのがおすすめです。
掲載先サイトのリンクにはnofollowタグが付けられており被リンクにはならない
自社サイトにテキストデータで載せておけばSEO対策になる
掲載先サイトへの掲載は、グーグルアラート対策やグーグルニュース対策、ニュース検索対策として一部有効である
海外SEOブログ
https://www.suzukikenichi.com/blog/links-in-press-releases-should-be-nofollowed/
⑩文章作成に困ったときは
文章そのもののチェックは、ワードの校正機能を活用するのがおすすめです。リリースの文章チェックには、設定からチェックレベルで「公用文」などを選ぶと良いでしょう。誤字脱字だけでなく、表記ゆれや読みやすさなどもチェックしてもらえます。
なお数字は人間がチェックするしかないので、特に間違いがないよう入念にチェックしましょう。
便利な校正機能ですが弱点があり、漢字をひらいて記載するかどうかや、送り仮名などの表記はチェックしてくれません。
下記の単語はどちらが正しいとされている日本語でしょうか?
「癒し」or「癒やし」
「暮す」or「暮らす」
「お待ち下さい」or「お待ちください」
これは後者が正しい日本語とされています。こうした表現は「記者ハンドブック」という記者のための表現ルールをまとめた本があるので、こちらを基準に文章を書けば間違いはありません。
文章が苦手な方は、主語と述語をどのように組み合わせて良いのか分からない、という方が多いと思います。作文そのものを勉強するには下記の本などもおすすめです。
結果を出すためのプレスリリースの送り方
メディアリストの作り方
解説順序は逆になってしまいましたが、プレスリリースを作成する前に、送り先のメディアリストを作成しておくと良いでしょう。具体的な送付メディアを頭に入れてから原稿を作成することで、リリースのイメージが付きやすくなります。
送付先メディアはリリース内容にもよりますが通常の企業情報の場合、基本は「通信社・新聞・雑誌・テレビ・WEB」の主要5媒体を設定すると良いかと思います。
メディアの数は膨大なので、いざ自社のターゲットメディアを設定しようと思ってもなかなか難しいもの。ここではいくつかターゲットメディアを探す方法や広報ツールをピックアップしてご紹介します。
「マスコミ手帳」
自社のPRターゲットとなるメディアを探す上で、最もスタンダードな方法として「マスコミ手帳」があげられます。
これは新聞社・通信社・テレビ・雑誌・専門誌などからWEBのニュースサイトまで、1,000媒体以上の電話番号と住所が記載されているハンドブックで、業界やジャンルからメディアを探すことができます。このハンドブックで自社業界やジャンルなどから、ターゲットメディアを抽出しリスト化するのが基本となります。
このハンドブックは残念ながらデジタル化されていないことと、FAX番号が書かれていないことが弱点となります。
FAX番号を知りたい場合は多少面倒ですが、記載されている番号へ電話をしてプレスリリースを送りたい旨を聞けば教えてくれるはずです。
「日経テレコン」
「日経テレコン」は日本経済新聞社が提供するビジネスデータベースサービスです。
有料サービスではありますが、新聞や一部雑誌のテキスト検索をすることができます。こちらを活用することで、自社が扱うテーマがどのようにメディアに取り上げられているのかを探すことができます。
「テレビ出た蔵」
「TVでた蔵」にはテレビデータがテキスト化され、無料で公開されています。こちらもキーワードで検索すると良いでしょう。
「dマガジン」
「dマガジン」は月額400円の有料サービスとなりますが、200誌以上の雑誌を横断検索することができるため、こちらも広報活動のマストツールとなります。
「Googleニュース検索」
WEBのニュースサイトは、Googleでニュース検索して探すと効率的です。
「ヤフーニュース」で検索
ヤフーニュースをテーマで検索して、とりあげている記事の元ソースを探すのも効率的です。
「Googleトレンド」
直接メディアを探せるわけではありませんが、Googleトレンドで検索ボリュームの傾向を探るのもおすすめです。
「Googleアラート」
WEBの記事を調査するにはGoogleアラートを活用するのもおすすめです。オプションで「ニュース」を選ぶことで、ニュース記事のみをピックアップすることができます。
「国会図書館」「大宅壮一文庫」
雑誌を深掘りするなら「大宅壮一文庫」を活用するのもオススメです。雑誌約300誌、累計600万件以上の雑誌記事索引を検索することができます。WEBサービスも提供されています。
メールやFAXだけじゃない!?リリースの配信手法
プレスリリースをメディアへ届けるための、代表的な手法について解説していきます。
・Eメール
相手のアドレスがわからないと送れないのが難点ですが、一番手っ取り早い手法がメールを活用して送る手法です。
WEBメディアなどはリリースの送付先アドレスを記載している場合が多いので、そちらのアドレスに送るとよいでしょう。WEB媒体意外や送付先が分からない場合はPR会社などの代行会社に頼むか、配信ワイヤーサービスを活用するのも一つの手です。
なお添付ファイルは、相手によっては不快に思うケースもあるようなのでTPOに合わせて対応したほうが良いかもしれません。
・FAX
近年では時代遅れの文化として揶揄されるFAXですが、新聞などのオールドメディアは、未だFAXでのやりとりが主流のところが多いのが現状です。
FAXで送付する際は、文字潰れが起きやすい明朝系の細いフォントは控える、カラー素材をそのまま送らない(白黒プリントしてから送る)など、メディアが受信した後のことも念頭に入れて送ると良いでしょう。
・郵送
手間な反面、意外と効果的なのが郵送による送付です。カラーで訴求できることや追加資料など補足に役立つ資料を同梱できること、多くの企業がワイヤーサービスを使うため、FAXとメールでしか送っておらず差別化できることなどがメリットとしてあげられます。
日経新聞やNHKは、リリースを郵送で送るよう統一アナウンスをしていますので、TPOに合わせて送付方法は工夫するとよいでしょう。
・記者クラブ
「外国人記者クラブ」などニュース番組などで有名人が記者発表をするところ?というイメージが強い記者クラブですが、一般企業がプレスリリースを投函することも可能です。
記者クラブには実際に新聞社やテレビ局の主要記者が毎日のように出社しており、プレスリリースを全社まとめて配布でき、確実に目を通してもらえるため大変効率的です。
車関連の企業であれば自動車産業記者会、上場企業対象の兜倶楽部、東京の地域情報であれば都庁記者クラブといった、情報別に記者クラブが設置されているケースが多いので、自社の情報に合った記者クラブがないか調べてみると良いでしょう。
・直接/メディアキャラバン
記事や編集者にアポイントを取って直接説明する手法を一般的に「メディアキャラバン」と呼びます。直接説明できるので効果も大きく、メディアの反応も分かるため
、ゼロからのアポイントメントが必要となり1社ずつ個別対応が必要となるため時間がかかります。ここぞというネタがある場合は、直接説明して
・記者発表会
自社会議室や会場を借り、メディアを呼んで一斉に発表する方法です。芸能人を使った大々的な記者発表が目立ちますが、小規模で実施することも可能です。
一度に複数のメディアへ説明ができるため、個別のメディアキャラバンよりも効率的ですが、会場の運営や会の仕切りなど色々と準備が必要となります。
プレスリリースは宛先部署を間違えると無意味に
プレスリリースの宛先は担当記者が分かれば、記者宛に送るのがベストでしょう。ただし新聞記者など担当変更が頻繁なケースもあるので、基本は編集部宛に送るのが良いかと思います。
通信社や新聞なら編集局の担当部署、雑誌なら編集部、テレビなら報道局や制作部を宛先にすると良いでしょう。例えば日経新聞に新サービスの情報をプレスリリースで送りたい場合は、「日経新聞社 編集局 企業報道部」が宛先となります。
送り先の部署が分からない場合は、先程ご紹介した「マスコミ手帳」に記載してある番号へ電話し、リリースを送りたい旨と内容を伝えれば該当部署を教えてもらえます。
リリースの配信タイミング
リリースの配信タイミングはメディアの種別や、それぞれのメディアの編集タイミングによってベストなタイミングは異なりますが、新商品・新サービスの場合は、新聞やニュースサイトなら1週間前、掲載までに時間がかかる月刊雑誌なら2~3ヶ月前には情報を伝えておきたいところです。
また土日が休みのメディアも多いため、金曜の夕方以降と土日は基本は避けたほうが良いでしょう。
ベストな配信時刻として様々な意見がありますが、特に神経質になる必要はなく、平日10~15時あたりに配信できれば問題はないでしょう。
(記者発表など記者のスケジュールに左右されるケースの場合は慎重にスケジューリングしたほうが良いでしょう。特に記者の身体は一つしかありませんので、他の目玉ネタとバッティングしないよう注意が必要です。)
またテレビ東京 ワールドビジネスサテライトのコーナー「トレンドたまご」のような極端に新鮮な情報を扱うメディアには、プレスリリース云々の前に、スピード優先でWEBから投稿してしまうのも一つの手です。
月間1,500億PV「ヤフーニュース」に取り上げてもらうには
「ヤフーニュース」に取り上げてもらいたいという企業からの声をたくさん頂戴します。下記ブログなどでも解説していますが、ヤフーニュース自体は一部特集記事を除き、記事作成はしていません。
ヤフーニュースやライブドアニュースなどのキュレーションメディアに掲載してもらうためには、ヤフーニュースにリリースを送るのではなく、ニュース提供元のメディアに送りましょう。
プレスリリースのつまづきどころ
それでもやっぱりネタがない!?そんなときは
新商品や新サービスが定期的にあれば良いですが、多くの会社や特にBtoB企業が必ず出会う課題があります。
それは「プレスリリース」に書くネタがない!というシチュエーションです。パブリシティの基本戦略は「自らニュースを創出し、企業体の利益に貢献し、世の中を良くする」ことです。
とはいえ、ニュースの創出は一般的にはなかなか難しいのも現状です。そうしたときにはアンケートを利用した「調査PR」がおすすめです。
リリース事例本は掲載の因果関係に要注意
プレスリリースの事例を解説した書籍が何冊か出版されていますが、掲載された事例が大手企業ばかりであったりと参考にならないケースも多く見受けられます。
他社のリリースを参考にする場合は、210件のリリースレイアウトなどが掲載されている、「ニュースリリース大全集」が断然おすすめです。
AIを活用した令和時代の広報戦略
記事化を狙ったパブリシティ活動は、これまでに解説したように「ニュース性」が非常に重要となります。
この一見曖昧な概念は、近年の膨大なニュースデータと機械学習により、将来明確な指標となっていくかもしれません。プレスリリースの内容からパブリシティの予測ができる時代もそう遠くはないでしょう。
近年ではSNSやキーパーソンとなる個人インフルエンサーの活用なども避けては通れないでしょう。また情報の流れなどもテレビなどのマスメディア集中消費型から、グーグルニュースを筆頭としたレコメンドエンジンによるロングテール型にシフトしていく中で、ニュースの消費プロセス自体も変化しつつあり、時代に合わせた広報戦略が必要とされています。
広報のやるべきことは非常に多岐に渡る一方、プロフィットセンターではないがため、なかなか社内で手が回らないという声も多く聞かれます。
自社でなかなか広報戦略が進められないという企業の方は、PR会社など外部に作業を依頼し社内のコア業務に集中するというのも一つの戦略かと思います。
プレスリリースは地味な活動となりますが、一旦ヤフートピックやテレビなどでとりあげられると反響がとてつもなく大きくなりますので、積極的に活用していくことをおすすめいたします。