【テレ東】ワールドビジネスサテライトの2021年上半期の報道傾向を分析
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2021年上半期のワールドビジネスサテライトの報道傾向を分析し、傾向と対策を調べてみたいと思います。
WBSは実際の番組構成と同じ作りで番組TOPの「第一特集」から「トレたま」まで、タイトルと概要という形で細かく情報がWEBにアップされています。
今回はこのWEBサイトの情報を元に、2021/1/4から2021/6/30までに放映された計128日分のデータを対象として傾向を分析していきたいと思います。
番組内容を可視化
まずはワードクラウド化して全体の傾向を見ていきます。
出現頻度を可視化すると、ウイルスやアメリカ関連のニュースが多かったことが分かります。(一般ニュースと傾向が異なるため「トレたま」と「白熱!ランキング」の情報は一旦除外しています)
共起語を確認
次に共起語を確認していきます。
2021年上半期は1月にバイデン大統領の就任があったことから、アメリカ関連の報道(緑)が多く、合わせて中国も多く取り上げられたようです。
またウイルス関連のニュース(黄色)と、緊急事態宣言に紐づく政府やオリンピックの動き(紫)や、株価の動き(赤)の動きが見て取れます。
オレンジや灰色箇所には、2021年2月から3月にかけて報じられた菅首相の息子の総務省接待問題も見て取れます。
一方民間企業の動きとしては、自動車の半導体製造(青)や3月の決算発表などが確認できます。
各種用語の出現回数
実際に品詞別に出現回数を確認してみます。
各種名詞
最も多く使われていた名詞は「発表」で445回。続いてウイルス関連のワードが続きます。
組織名・人名・地名
組織名には株主総会などが注目された東芝や、過去最高益を達成したソフトバンクなどの企業がラインナップ。人名では政治家の名前が頻出し、未知語(分類不可)には企業名やPCRといったワードが確認できます。(「NEXT STAGE」はコーナー名の一部です)
地名ではアメリカがTOPで338回登場。都道府県では東京が最多となっています。
動詞・形容詞
動詞はWBSが好きな文脈を理解するのにとても役立ちます。
「受ける」というワードが最も多く登場し、「◯◯の大きな影響を受け~~」や「脱炭素の流れを受け~」「政府の方針を受けて~~」といった形で使われています。
また形容詞で最多の「高い」は、主に料金ではなく「集団免疫への高い壁」「リスクの高い取引」「高齢者にとってハードルが高い」といった表現で使われていることが多いようです。
WBSの好きな「新たな」を深堀りする
ここからは最頻出形容動詞である「新たに」を深堀りしてみたいと思います。
実際にタイトルに使われたものだけでも、下記のように多く存在し、番組が好んで使うワードであることが分かります。
都内の新たな交通手段に 電動キックボード本格始動へ
"新たなライフスタイル!? 「転職なき移住者」争奪戦
自治体が新たな取り組み 無症状でも無料でPCR検査
"“次世代”まもなく発表 「ウィンドウズ」に新たなライバル
いま攻める!日本メーカーの新たな挑戦
休業相次ぐ飲食店… 反転攻勢へ新たな動き続々
スエズ運河 航行再開 座礁事故 新たな懸念
「転用」で新たな需要 ホテル物件をオフィスに
"コロナで変わる“新経済圏” 新たな食の発信地に!?
"スタバ日本上陸25周年 新たな「カップ・シェア」とは
"働き方の新たな可能性!? 分身ロボットがもたらす未来
兆しを捉えるWBS向け訴求ワード
2021年上半期に実際に「新たな」と一緒に使われた言葉はこちらです。
WBSに取り上げてもらうには、このあたりのワードを参考にしても良いかと思います。
またメディア側が何を取り上げるのかという肌感覚に関しては、実際のWBSディレクター・プロデューサーなどを経験されている方の下記のような書籍を読むのが手っ取り早いかと思います。
時系列の動きを確認
続いて時系列での傾向を見ていきます。
対応分析で月ごとの頻出ワードを分類してみると、1月はウイルスや感染について、2月3月は総務省接待問題や経済について、4月に入り消費・再開・雇用・景気という言葉が使われだし、6月に入るとオリンピック関連やワクチンについてのニュースが増えていることが見て取れます。
昨年との比較
さて昨年同時期対比で見てみると、大きな流れは実は1年経ってもあまり変化がないことが見て取れます。
その中でも「ワクチン」「摂取」「アメリカ」というのが新たなワードとして確認できます。
「白熱!ランキング」から商材テーマを探る
ここからは「白熱!ランキング」から取り上げられた商材テーマを探っていきます。
「白熱!ランキング」は特定のサイトや店舗などの売上をランキング化するコーナーで、商材メーカーだけでなく商品の販売プラットホーム側も紹介される定期コーナーです。
特徴的なのはやはり巣ごもりで、上半期では「家で旅行気分が味わえる全国のお弁当ランキング」や「密を避けるためのキャンピングカー/自転車ランキング」「巣ごもりで増える家庭菜園ランキング」などが取り上げられました。
番組冒頭の第一特集をクラスター分析
最後に第一特集という番組の冒頭で取り上げられたニュースをクラスタリングしてみます。
今回はクラスタリングとして代表的なアルゴリズムであるK-meansを使用します。クラスターをいくつに分けたらよいかを探る手法 エルボーメソッドを参考に、各ニュースを5つのクラスタリングに分けてみた結果、下記のような結果となりました。
第一特集は5カテゴリーに分けられる
上記の通り2021年上半期の第一特集には5つの傾向があったことが見て取れます。
分類 |
特徴 |
ニュースタイトル一例 |
クラスター1 |
コロナ関連ニュース |
感染者数31万人超え 新型コロナ国内初確認から1年 |
クラスター2 |
価格変動ニュース |
マヨネーズやマーガリン値上げ なぜ今 油の価格が高騰? |
クラスター3 |
緊急事態宣言関連 |
緊急事態宣言11都府県に拡大 |
クラスター4 |
ワクチン関連 |
緊急事態宣言11都府県に拡大 |
クラスター5 |
日本国内・企業ニュース |
輸入EVが続々登場!日本メーカーの秘策とは!? |
全体のボリュームとしては、クラスター5の国内企業ニュースが多いことが分かりました。
以上、ワールドビジネスサテライト2021年上半期のニュース分析でした。
テレビ番組の分析はログデータを使って分析することが多いと思いますが、WBSのようにオフィシャルWEBサイトにも豊富な情報が掲載されているケースも少なくありません。
こうしたデータを広報・マーケティング活動に活かしてはいかがでしょうか。
※当社では広報・PR活動やデータスクレイピングなどのサポートをしています。ご依頼の際は、お問い合せフォームよりお気軽にお問い合せください。
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