YouTube APIでコメントを分析してAdoとyamaのファン感情を比較する
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UGC(User Generated Contents)の分析対象としてはTwitterなどのSNSだけでなく、You Tubeなどの動画サイトのコメントデータも重要なデータとなります。
今回はYou Tubeの音楽動画でも特にコメントの多い、adoの「うっせぇわ」とyamaの「春を告げる」への投稿を抽出し、それぞれの傾向を探ってみたいと思います。
「うっせぇわ」「春を告げる」へのコメントデータを分析
yamaの「春を告げる」は、現時点で8,500万以上再生されており、約2万2,000件のコメントが投稿されています。
adoの「うっせぇわ」に至っては、現時点で1億7,000万以上再生されており、コメントは23万件以上も付いています。
You Tube Data APIでコメントを抽出
You TubeのコメントデータはYou Tube Data APIというAPIで取得することができます。
You Tubeコメント欄は、ヤフーニュースのコメントと同様、メインの投稿である「親コメント」とそのコメントへの返信「子コメント」という形で形成されており、それぞれのコメントに付いたいいね数なども取得してくることも可能です。
データ取得時点でのコメント数は以下のようになります。
曲 |
再生数 |
全コメント数 |
親コメント数 |
春を告げる |
85,565,950 |
22,460 |
12,062(約53%) |
うっせぇわ |
174,022,700 |
236,580 |
123,189(約52%) |
親コメントと子コメントがほぼ半数で形成されているようです。今回はこの親コメントを対象としてみます。
ワードクラウドで可視化
まずはワードクラウドでざっくり可視化してみます。
春を告げる
どうやら歌詞がそのまま投稿されている回数が多く、歌詞に使われているワードを除くなどの前処理が必要なようです。
うっせぇわ
うっせぇわに関しては、コメント件数そのものが極端に多いのも相まってか、荒らしコメントが非常に多いのが特長です。また上記ワードクラウドでは除外されていますが、BTSダイナマイト関連の荒らし投稿も非常に多くあります。
「コメント欄地獄すぎw」「いやぁ面白すぎだろコメント欄」という投稿などがあり、もはやコメント欄がコミュニティ化している状況です。
こうした荒らしコメントや重複コメントを一通り除去する必要がありそうです。
KH coderでテキストマイニング
先程の荒らし投稿や、歌詞そのものなど分析に邪魔な投稿を除外し、KH coderで内容をより深く掘り下げてみてみます。
春を告げる
「春を告げる」は”自粛期間や友達を思い出す、なんかエモい感じの曲”
特徴的なワードとして「自粛期間」「友達」「思い出す」「エモい」といった言葉が多いのが分かります。
動画が公開された2020年の4月は、全国中小高一斉休校が行われたタイミングとも重なり、こうした時代背景も非常に強く影響していることが分かります。
コメント(一部抜粋)
1年前この曲を自粛期間中の夜に聞いてたからすごい懐かしい気持ちと不思議な気持ち
たまに聞きに来るけど自粛期間中がほんとに懐かしく感じる
去年の休校中にこの曲聞きながら友達とゲームして夜更かししたのが懐かしい
夜ベランダにでて夜景見ながら聴くのがめっちゃエモい
感情分類
ML-Askでコメントの感情分類を行うと、半数以上が「好」というコメントで「喜」も多いことが分かります。
うっせぇわ
「うっせぇわ」は”クラスや職場のバカを思いながらカラオケで歌うカッコイイ曲”
特徴的なのはこちらも「友達」というワードが出てくること。また「上司」や「先生」「クラス」といった言葉や「カラオケ」という言葉出てくるのも特長です。
コメント(一部抜粋)
これ聴くと俺の中学生時代思い出す。先生に楯突いて周りから冷めた目で見られたのはいい思い出。ある日、俺がキレたらみんなビビってたなぁ笑この曲にハマる奴はなんらかのエピソードを持ってる。
この曲にも少し歌われてるけど、酒の席で若いものが率先して酒を注げ!!とか言うあほ上司が完全に消える事を願うばかりです
仕事場でストレスたまったときカラオケで歌うにいい曲だし
1番2番ともサビ前のリズムがめっちゃカッコいい。クセになる。
感情分析
こちらも感情で分類してみると、春を告げると比べて「嫌」という感情が多いことが分かります。これは歌詞にあるように、他者に向けた「嫌」がコメントととして登場しているのでしょう。
まとめ
視聴者が何を感じているのかなどを探るために、このように投稿文をテキストマイニングするも一つの方法かと思います。
ちなみに音楽で言えば、最近の研究で若い頃に聞いた曲が自分の生涯の好きな曲となる、といった説も説かれています。
特に今回「春を告げる」の分析で分かったのが、一斉休校の影響とエモ感情が強く重なっていた点です。
視聴者層の多くを占める若い世代では、ここ数年で自粛や休校という滅多にない経験をしており、そこにはadoやyamaといったYou Tubeをメインとした(マスメディアではない)音楽活動者の登場が重なった時期でもあります。こうしたエモい感情を理解しておくこともマーケティングには重要となるでしょう。
以上、adoとyamaのYou Tubeコメント分析でした。今年の紅白にも期待です!
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