2023年1-3月期 雑誌印刷部数を可視化する
目次[非表示]
雑誌印刷部数の2023年1-3月期 最新数値が公開されたので、今回も数値動向を見てみたいと思います。
過去の記事は以下から
部数が増えた雑誌
まず前年同月比で部数が増えた雑誌を見ていきます。
ウルトラジャンプ
集英社のコミック誌「ウルトラジャンプ」が181%増と、前年同期比で3倍近く急増しており増加率最多となっています。
これは3月号で、「ジョジョの奇妙な冒険」第9部が連載開始されたことによる影響だと思われます。
底を打った?ViVi・CanCam
長い間部数減少が続いていた講談社「ViVi」と小学館「CanCam」ですが、ついに底を打ったような動きとなり、部数も上昇傾向となりました。
また前期で好調であったコスメ誌の講談社「Voce」は、前年同期比でみて25%アップと増加率2位となっています。Voceは2022年7-9期で部数を大きく伸ばしているため、2023年7-9期の動きがどうなるかに注目です。
復活の兆しか「AERA」
2023年1-3月期は、朝日新聞出版「AERA」の動きに変化が見られました。
部数減少が続き、「週刊朝日」まで休刊となり注目されていた朝日新聞出版の雑誌事業ですが、ここからV字回復といけるのでしょうか。
ハルメク
2023年3月の上場以降、若干株価が冴えないハルメクですが、2023年1-3月期も前年同期比で見ると部数を伸ばしています。
ハルメクはWEB事業の「ハルメク365」や、これまで禁忌であった”恋愛”に着手し始めるなど、今年から新たな戦略を繰り広げており、今後の事業展開にも注目です。
部数が減った雑誌
続いて部数が減った雑誌を見ていきます。
季刊誌になった「Mart」
前年同月比で最も部数が減ったのは光文社「Mart」でした。前年同期171,320部だったのが、61,600部と半分以下に急減しています。
Martは2022年売り号から季刊誌に変更となっており、このあたり定期購読層を失ったことなども影響しているのかもしれません。
休刊となった雑誌
このタイミングで新たに休刊となった雑誌では、一般週刊誌「週刊朝日」が休刊となっています。
週刊ザテレビジョン
週刊誌として発行されていた「週刊ザテレビジョン」ですが、2023年3月1日発売号にて休刊となり、月刊ザテレビジョンと統合されています。
イブニング
漫画雑誌「イブニング」が、2023年2月28日発売号を持って休刊となっています。
その他、ティーン向けファッション雑誌「Popteen」が、2023年2月1日発売号を持って休刊となっています。
出版社別平均印刷部数
最後に2023年1-3月期の出版社別の印刷部数(中央値平均)です。
10万部以上を発行する出版社は7社に絞られています。これを比較すると、10年前の2013年1-3月期では27社であり、ここ10年で紙媒体には大きな変化が起きていることも分かります(その一方で数値非公開ではありますが、dマガジンの影響力が上がっていることにも注目です)。
以上、2023年1-3月期印刷部数のまとめでした。
雑誌印刷部数はこちらのダッシュボードやこちらのダッシュボードにまとめていますので、ご自由にお使いください。