#国葬反対は本当に海外から投稿されているのかツイート分析してみる
ある県議が「国葬反対のSNS投稿の8割は隣の大陸から」と発言し、その発言根拠を高市早苗経済安全保障担当相の発言であるとコメントし、話題となっています。
こうした海外からの投稿話は、実は前回の参院選あたりから界隈で話題となっているようで、弊社ブログでも分析記事を紹介していたことから、某大手社会部新聞記者より問合せいただいたこともありました。
今回はAPIで手に入る一般のツイートデータから、国葬反対はどこから投稿されており、誰が投稿しているのかを見ていくとともに、本当に海外からの投稿が増えているのかを検証していきたいと思います。
時系列推移
今回対象にしたのは過去1ヶ月の間にTwitterに投稿された「#国葬反対」で、リツイートデータを除外した約10万のデータを対象としています。
まず全体としての1時間ごとの#国葬反対 ハッシュタグの投稿数推移を見ていきたいと思います。
国葬当日の9月27日をピークとして3回ほど上昇ピークが見られます。
投稿しているユーザーのデータ
フォロワー数を見てみると最大は町山智浩氏の366,945フォロワーでした。2位は望月衣塑子記者で280,298フォロワーです。
投稿件数でみると、1位は怒涛の260万ツイートのこちらの方でした。
全体的にそこまでBOTやら海外勢が暗躍している形跡はみてとれません。果たして8割が中国から投稿されているのでしょうか。
Twitterで地理データを取得する
Twitterでは任意で地理情報を付けて送ることができます。過去1ヶ月間の#国葬反対 ハッシュタグ10万件のうち、地理情報が含まれるデータは0.9%(約1,000件)でした。
サンプリングとしては非常に少ないデータとなるので、ここから全体を見るのは難しいかもしれません。
TwitterAPIで得られることができる情報はこの程度なので、本当に全体の8割が海外投稿だとすると、Twitter社と連携してIPデータを貰わない限りデータ取得や推測は困難だと思われます。
実際に地理情報をまとめると以下のような結果となりました。円の大きさはフォロワー数、色の濃さは過去のTwitter投稿件数を表します。
東京から投稿されている円の一番大きなものは、20万人近くのフォロワーがいる共産党の小池議員の下記投稿です。
海外からはいくつかフィンランドなどから投稿されています。
結論
- 一般のAPIで手に入る位置情報付きツイートを分析しても、どこの国から投稿されているかの全体像は見えない(ジオタグ付きツイートは全体の1%ほど)
- 中国からの位置情報付き投稿は1件も確認できなかった
- 高市氏などの発言がもし根拠あるものだったとすると、Twitter社が保有する未公開のIPデータを元にしたものであると考えられる
Twitterと自民党がツイートデータの独自契約を結んでいる可能性も否定できませんが、新聞記者も注目している海外からのTwitter投稿は今後も注目です。
以上、Twitterの位置情報付きツイートの分析でした。
本来こうした分析は東大の鳥海教授がやってくれるだろうと思っていたら、早速本日記事が上がりっていました。
こちらの分析でも同様な結果となっています。
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