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2025年10-12月期 雑誌印刷部数を分析する
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2025年10-12月期 雑誌印刷部数を分析する

2025年10-12月期 雑誌印刷部数を分析します。

2025年10-12月期 雑誌印刷部数を分析する

2025年10-12月期の雑誌印刷部数データが公開されましたので、今回も各数値を分析してみます。

※各種データは下記サイトからAIを使って分析いただけます

https://magazine-circulation-analyzer.onrender.com/

今回の記事のまとめ

①美容誌の大逆転劇:美的が韓国コスメ付録×4バージョン展開+男性アイドル増刊で 125,667部(+10.0%) に急回復。前期首位のVoCEを抜き返して 首位奪還

②海外エンタメIPが成長の鍵に:SPUR(**+18.2% )、PASH!( +32.4% )、Harper's BAZAAR( +23.3% )など、K-POP・中国ゲーム・韓国コスメといった 海外IP活用誌が軒並み成長**

③ジャンプ100万部割れ回避も瀬戸際:週刊少年ジャンプが 1,022,500部 で100万部ラインをかろうじて維持。 残り22,500部 の攻防が続く

前年比で部数が増えた雑誌

1位 美的(小学館): +10.0%増(+11,400部)

美的印刷部数の推移:

  • 2024年10月:114,267部

  • 2025年10月:125,667部

  • 増加数:+11,400部(増加幅・増加率ともに1位)

前期(2025年7-9月期)にVoCEに首位を明け渡した美的が、わずか1四半期で首位を奪還しました。

※JMPAの印刷部数は 発売日ベース で集計されるため、10-12月期の数値は10月〜12月に発売された 12月号・2026年1月号・2026年2月号 の平均です。

10-12月期に発売された各号の内容:

発売日号数展開数表紙(通常版)増刊表紙
10/2212月号4バージョン田中みな実大橋和也(なにわ男子)
11/211月号3バージョン髙石あかり長井かおりSPECIAL BOX
12/222月号4バージョン有村架純渡辺翔太(Snow Man)

増加の背景:

  • 韓国コスメ現品付録の威力(12月号・2月号)

    • 12月号:dasique リップ現品(5色ランダム)、メディキューブ、MEDIHEAL、AMUSE等を「韓国コスメ(1)版」「韓国コスメ(2)版」の2バージョンで展開 → 発売直後に韓国コスメ版が完売続出&あんふぁん

    • 2月号:numbuzin クレンジングジェル200mL(現品)、fwee チーク、AESTURA クリーム等を付録に展開

    • 韓国コスメ現品を「付録」で試せる手軽さが購買動機に直結

  • 男性アイドルSPECIAL EDITIONの継続展開(12月号・2月号)

    • 12月号:大橋和也(なにわ男子)が美的初表紙。撮り下ろしグラビア+インタビュー( 美的.com

    • 2月号:渡辺翔太(Snow Man)が「美的ベストビューティマン」3度目の受賞で 殿堂入りPR TIMES

    • 通常版とは異なる読者層(アイドルファン)からの購買を確保

  • 3〜4バージョン同時発売モデルの定着

    • 12月号と2月号は4バージョン、1月号は3バージョンを同時展開

    • 「通常版」「付録違い版」「韓国コスメ版」「アイドルSPECIAL EDITION」と、1号で異なるターゲット層をカバーし合計部数を最大化

前期のVoCE首位交代から一転、美的が韓国コスメ現品付録と男性アイドル増刊という2つの武器で再逆転を果たしました。美容誌市場において 「いかに多くのバージョンを同時展開できるか」が部数を左右する時代 に入ったと言えます。


2位 SPUR(集英社): +18.2%増(+9,000部)

spur印刷部数の推移:

  • 2024年10月:49,333部

  • 2025年10月:58,333部

  • 増加数:+9,000部(増加率18.2%)

前期-17.8%の大幅減から一転、V字回復を果たしました。

10-12月期に発売された各号の内容:

発売日号数表紙展開数
10/2312月号RIIZE(3パターン)3形態
11/21・11/271月号BTS JIN(2パターン)2形態
12/232月号XG JURIN+道枝駿佑(なにわ男子)2形態

成長の背景:

  • 3号連続K-POP/グローバルアーティスト表紙の成功

    • 12月号:RIIZE(ライズ)が国内ファッション誌の表紙に初登場。通常版+スペシャルエディション2種の 3パターン同時展開HMV

    • 1月号:BTS JIN(ジン)がSPUR初登場で単独表紙。通常版+増刊の2パターン展開。14ページにわたるグラビア&インタビューが「永久保存版」と話題に( SPUR公式

    • 2月号:XGのJURINがシャネルのルックで通常版表紙、道枝駿佑(なにわ男子)がパリ撮影の特別版表紙( THE FIRST TIMES

  • 「推し表紙買い」需要の最大化

    • 毎号2〜3パターンのバリエーション展開が定着

    • K-POPファンが「推し」の表紙を複数バージョン購入する需要を確実に取り込む

ファッション誌の構造的な縮小が続く中で、K-POPとい��コンテンツを軸に 毎号の複数パターン展開 を確立し、明確な成長軌道に乗った好事例です。


3位 PASH!(主婦と生活社): +32.4%増(+7,634部)

印刷部数の推移:

  • 2024年10月:23,533部

  • 2025年10月:31,167部

  • 増加数:+7,634部( 増加率32.4%はTOP 5中最高

アニメ・ゲーム情報誌「PASH!」が大幅成長を記録しました。

10-12月期に発売された各号の内容:

発売日号数表紙増刊
10/911月号プロジェクトセカイ鳴潮 Special Edition(10/14発売)
11/1012月号ツイステッドワンダーランド崩壊3rd Elysia SE(11/11発売)
12/101月号シクフォニゼンレスゾーンゼロ大特集

成長の背景:

  • 中国ゲームIPのSpecial Editionを毎月発行

    • 11月号増刊:「鳴潮(Wuthering Waves)」Special Edition(KURO GAMES)。仇遠の描き下ろしイラスト表紙、19ページの鳴潮男子特集( PASH! PLUS

    • 12月号増刊:「崩壊3rd」Elysia Special Edition(HoYoverse)。エリシア誕生日(11/11)に合わせて発売、井上麻里奈インタビュー掲載( PASH! PLUS

    • 1月号:「ゼンレスゾーンゼロ」(HoYoverse)オリジナルカード+スペシャルブックレット付録

    • 中国ゲームファン向けの Special Editionが通常号とは別の印刷部数を上乗せ する構造

  • 通常号もアニメ・ゲームIPが充実

    • プロジェクトセカイ(劇場版公開連動)、ツイステッドワンダーランド(アニメ化)、シクフォニなど話題のIPを毎号表紙に起用

    • 羅小黒戦記2(中国アニメ映画)のW表紙展開も

絶対部数は31,167部とまだ小規模ですが、**増加率32.4%**は今期全雑誌の中でも屈指の伸びです。中国ゲームIPのSpecial Editionという新しい増刊モデルを確立した点が注目されます。


4位 Harper's BAZAAR(ハースト婦人画報社): +23.3%増(+7,000部)

印刷部数の推移:

  • 2024年10月:30,000部

  • 2025年10月:37,000部

  • 増加数:+7,000部(増加率23.3%)

※Harper's BAZAARは年10回刊(1・2月合併号、7・8月合併号あり)のため、10-12月期に発売されたのは以下の2号です。

10-12月期に発売された各号の内容:

発売日号数通常版表紙特別版表紙展開数
9/2011月号ちゃんみな1形態 ※7-9月期に計上
11/191・2月合併号TWICE MOMO羽生結弦(A ver.・B ver.)3形態

成長の背景:

  • 羽生結弦 特別版2バージョン展開の大成功

    • 1・2月合併号で羽生結弦が初登場。A ver.・B ver.の2バージョンで特別版を展開( HMV

    • ARカメラで表紙の羽生結弦が動き出す機能付き(A ver.とB ver.で異なるAR動画)

    • 対象ネット書店での購入でオリジナルステッカー(全5種ランダム)の特典も

    • フィギュアスケートファンからの圧倒的な購買支持で、通常読者層とは異なる新規購買層を開拓

  • TWICE MOMO通常版表紙でK-POPファン層も取り込み

    • 同じ1・2月合併号の通常版ではTWICE MOMOが表紙を担当( furoku.net

    • 羽生結弦ファン+K-POPファンの両方が同号を購入する構造に

ラグジュアリーファッション誌がスポーツ選手やK-POPといった異ジャ���ルのファン層を取り込む動きは、雑誌のメディア価値を「ファングッズ」として再定義する流れと言えます。


5位 美ST(光文社): +10.0%増(+5,033部)

印刷部数の推移:

  • 2024年10月:50,467部

  • 2025年10月:55,500部

  • 増加数:+5,033部(増加率10.0%)

前期-16.4%から大幅にV字回復しました。

10-12月期に発売された各号の内容:

発売日号数展開数通常版表紙増刊表紙
10/1712月号2バージョン長澤まさみ西山智樹&前田大輔
11/171月号3バージョン井川遥寺西拓人(timelesz)
12/172月号3バージョン板谷由夏板谷由夏(共通)

成長の背景:

  • 男性表紙Special Editionの毎号展開が定着

    • 12月号増刊:西山智樹&前田大輔が美ST初表紙

    • 1月号増刊:寺西拓人(timelesz)が美ST初表紙。予約開始後すぐにAmazon・楽天でランキング上位に( がせっち

    • 40代向け美容誌として、大人世代のアイドルファンを正面から取り込む戦略

  • 付録の現品化が進行

    • 1月号特別版:アヴァンセ ティントリップ(現品)+メディダーマ シートマスク(現品)( 付録ネット

    • 2月号特別版:イヴ・ロシェ うるツヤトリートメント(現品)

    • 増刊には計7ブランドの美容名品セット(1月号SE)など、付録の豪華さで差別化

40代女性向け美容誌という明確なターゲットを持ちながら、男性表紙のSPECIAL EDITIONと現品付録の2軸で新規読者を獲得するモデルが機能しています。


前年比で部数が減った雑誌

ワースト1位:月刊コロコロコミック(小学館)| -22.0%減(-60,000部)

印刷部数の推移:

  • 2024年10月:273,333部

  • 2025年10月:213,333部

  • 減少数:-60,000部(業界最大の減少幅)

2期連続でワースト上位に入りました(前期もワースト2位で-63,940部)。

10-12月期に発売された各号の内容:

発売日号数メイン付録
10/1511月号デュエマ メタルケース+限定カード
11/1512月号BEYBLADE X オロチクラスタ(応募者全員)、ポケモンフレンダ限定ピック
12/131月号年末特大号(豪華付録ラッシュ)

減少の背景:

  • 主力IPは健在だが、読者層自体が縮小

    • ポケモン、デュエル・マスターズ、BEYBLADE Xの3大柱は引き続き展開。特にDuel Masters LOSTの新アニメ開始(11月号)は追い風要素( 小学館PR TIMES

    • しかしターゲット層(小学生男子)の絶対数が少子化で減少し続けており、IP力でカバーしきれない状況

  • デジタルとの競合が加速

    • YouTube、TikTok、Nintendo Switch、スマホゲームなど、子どもの可処分時間の競合先が増大

    • ゲーム・ホビーの情報がSNSやYouTubeでリアルタイムに発信される環境では、月刊誌の情報速度が構造的に劣後

  • 新雑誌「コロちゃお」の創刊(12月19日)も注目点

    • コロコロコミックとちゃおが合体した新雑誌が創刊。全758ページ、ポケモンカードデッキ(60枚)付録( 電ファミニコゲーマー

    • 本誌と読者が重なるため、カニバリゼーション(自社競合)の可能性もある

構造的な問題が複合しており、短期的な回復は困難な状況です。


ワースト2位:週刊少年ジャンプ(集英社)| -4.9%減(-52,500部)

印刷部数の推移:

  • 2024年10月:1,075,000部

  • 2025年10月:1,022,500部

  • 減少数:-52,500部

  • 100万部まで:あと22,500部

前期の記事で「次期での100万部割れがほぼ確実」と記載しましたが、結果としてギリギリで100万部ラインを維持しています。

10-12月期の主な動向:

  • 看板作品不在の影響が継続

    • 『呪術廻戦』(2024年9月完結)、『僕のヒーローアカデミア』(2024年終了)の後、ONE PIECE以外に一般知名度のある作品が不在

    • スピンオフ『呪術廻戦≡(モジュロ)』が2025年に新連載開始も、本編ほどの牽引力には至らず

  • 新連載の定着率が課題

    • 2025年夏に開始した3作品(『カエデガミ』『エキデンブロス』『ピングポング』)が揃って47〜49号で打ち切り( eiga-manga.com

    • 代わりに48〜50号で3作品が新連載開始(『ゴンロン・エッグ』『隣の小副川』『JK勇者と隠居魔王』)

  • デジタルシフトとの共存

    • 少年ジャンプ+(月額980円)で電子版を同日配信。紙からデジタルへの読者移行が部数減の一因

    • ただし集英社としてはデジタル含めた総合マンガビジネスの拡大戦略

詳細は「 週刊少年ジャンプの動向」セクションで解説します。


ワースト3位:週刊現代(講談社)| -16.8%減(-47,125部)

印刷部数の推移:

  • 2024年10月:280,125部

  • 2025年10月:233,000部

  • 減少数:-47,125部

今期のワースト3位には、部数減以上に大きな構造変化があります。

減少の最大要因:

  • 2025年3月31日発売号から月2回刊(隔週化)へ移行

    • 2025年4月14日号から隔週刊に移行。「スマートフォンやSNSの普及などの環境変化」への対応と説明( 講談社ADステーション

    • 10-12月期には月2回ペースで計約6号を発行(前年同期は約13号)

    • 発売頻度が半減したため、単純な前年比較は難しいが、1号あたりの部数も減少

  • 編集方針の大転換も実施

    • 37歳の臼杵明裕氏が業界最年少で新編集長に就任(2025年12月〜)

    • 女性の水着・ヌードグラビアを 完全廃止、表紙デザインも17年ぶりに刷新( 中日新聞

    • 従来の70代男性向けから「全世代・男女向けの国民的雑誌」への転換を目指すも、新編集長自身が「残念ながらセールスが伸びていない」と認める状況( Real Sound

週刊現代の隔週化と編集方針の大転換は、 週刊誌というビジネスモデル自体の限界を象徴する出来事 です。今後、他の週刊誌が追随する可能性も注視する必要があります。


ワースト4位:家の光(家の光協会)| -13.1%減(-45,700部)

印刷部数の推移:

  • 2024年10月:349,000部

  • 2025年10月:303,300部

  • 減少数:-45,700部

2025年4月に 創刊100周年 を迎えた歴史ある雑誌ですが、減少が止まりません。

10-12月期に発売された各号の内容:

発売日号数主な特集
10/111月号お金の不安を手放そう(老後資金対策)
11/112月号あると安心防災+家の光家計簿2025年版

※家の光は毎月1日発売。書店では販売されておらず、主にJAを通じた購読で配布。

減少の背景:

  • JA正組合員の減少が直接的に部数に連動

    • 「家の光」はJA(農業協同組合)の組合員向けに配布される雑誌

    • 2023事業年度のJA正組合員数は 385万4,000人(前年度比 -7.9万人、**-2.0%**)。基幹的農業従事者の平均年齢は69.2歳(2024年、 農林水産省

    • ピーク時180万部(1961年)→ 現在は30万部台まで減少

  • 農協現場からの支持率が極めて低い

    • 農協役職員アンケートで「家の光」の支持率は**わずか5%**。JAグループ12組織中、「評価しない」が「評価する」を上回った2組織のうちの1つ( ダイヤモンド・オンライン

    • 「強引な拡販ノルマ」に農協が強い反発

  • 組織再編も進行

    • 家の光協会は2025年4月に6本部体制→5本部体制へ縮小。デジタル事業推進室を制作本部に統合

一般の雑誌とは異なる流通構造を持つため、市場要因よりもJA組織の構造変化が直接的な減少要因となっています。


ワースト5位:Myojo(集英社)| -23.9%減(-36,000部)

印刷部数の推移:

  • 2024年10月:150,667部

  • 2025年10月:114,667部

  • 減少数:-36,000部

  • 2期連続の大幅減(前期:-33.8%減)

10-12月期に発売された各号の内容:

発売日号数表紙
10/2212月号King & Prince(永瀬廉・髙橋海人)
11/211月号Hey! Say! JUMP
12/222月号KEY TO LIT(Myojo表紙初登場)

減少の背景:

  • STARTO ENTERTAINMENT所属タレントのSNS解禁が直撃

    • 2023年以降、所属タレントのSNS利用が段階的に解禁。ファンの88.4%がSNS開設に肯定的( PR TIMES

    • 従来はMyojoなどの雑誌でしか見られなかったアイドルの写真・情報が、InstagramやXで無料公開されるように

    • 雑誌が持っていた「独占的な情報チャネル」としての価値が消滅

  • アイドル情報誌の市場自体が崩壊

    • WiNK UP:2025年6月号で 休刊Yahoo!ニュース

    • ポポロ:2024年9月号で 休刊

    • POTATO:2025年3月号より 隔月化

    • 月刊アイドル誌はMyojoとDueTのみとなり、カテゴリー自体が消滅の危機

  • 一方で前期比では増加という矛盾も

    • 7-9月期の89,333部 → 10-12月期は114,667部と前期比では**+28.4%増**

    • 12月号のKing & Prince表紙、2月号のKEY TO LIT初表紙など、号によって波がある

女性ティーンズ誌カテゴリー全体が**-43.2%**という壊滅的な減少を記録していますが、その主因はMyojoの急落です。アイドル情報誌というビジネスモデル自体が転換点を迎えています。


カテゴリー別動向分析

成長カテゴリー

ビューティ・コスメ誌:+4.9%(+16,783部)

今期、最も明確な成長を見せたカテゴリーです。美的(+11,400部)、MAQUIA(+5,000部)、美ST(+5,033部)の3誌が牽引しました。韓国コスメ付録と男性アイドル増刊版という「二本柱戦略」が業界標準になりつつあります。

ゲーム・アニメ情報誌:+1.3%(+2,586部)

PASH!の中国ゲームIP戦略が成長を支えています。絶対額は小さいものの、縮小が続く雑誌市場においてプラス成長を維持していることは注目に値します。

旅行・レジャー誌:+5.0%(+1,000部)

インバウンド需要の継続と国内旅行需要の回復が追い風となっています。

衰退カテゴリー

その他趣味・専門誌:-13.5%(-216,629部)

最大の減少幅を記録。趣味の細分化とYouTube・専門サイトへの情報移行が加速しています。

週刊誌:-9.9%(-187,698部)

週刊現代の隔週化が数字に大きく影響。週刊文春(-29,948部)、女性セブン(-27,500部)なども軒並み減少しています。

少年向けコミック誌:-7.5%(-160,983部)

コロコロ(-60,000部)とジャンプ(-52,500部)の2誌だけで減少分の約7割を占めています。

生活実用情報誌:-10.0%(-158,766部)

レシピアプリやSNSでの情報収集が完全に定着し、紙媒体の存在意義が問われています。

女性ティーンズ誌:-43.2%(-149,826部)

Myojoの急落が直撃。前期の-51.2%に続き、2期連続で壊滅的な減少率を記録しています。


出版社別動向

部数が増えた出版社

1位 リイド社:+1.3%増(+2,729部)

  • コミック乱シリーズが堅調を維持

2位 ニュートンプレス:+0.8%増(+600部)

3位 中央公論新社:+0.1%増(+167部)

全出版社のうち、部数が増加したのは わずか3社のみ です。前期の2社よりは改善していますが、依然として極めて厳しい状況です。

部数が減った出版社 TOP 5

1位 小学館:-11.6%減(-271,075部)

  • コロコロコミック(-60,000部)、女性セブン(-27,500部)など幅広い媒体で減少

  • 一方で美的(+11,400部)、ぷっちぐみ(+4,500部)は健闘

2位 集英社:-7.7%減(-221,713部)

  • ジャンプ(-52,500部)、Myojo(-36,000部)の減少が大きい

  • ただしSPUR(+9,000部)、MAQUIA(+5,000部)、最強ジャンプ(+5,000部)が好調

3位 講談社:-8.4%減(-154,821部)

  • 週刊現代の隔週化が最大の要因

4位 ベネッセコーポレーション:-35.8%減(-108,104部)

  • たまごクラブ、ひよこクラブなど育児誌の苦境が継続

5位 NHK出版:-15.7%減(-86,401部)


美容誌動向

2025年10-12月期は、美容誌市場で再び大きな動きがありました。

美容誌

美容誌ランキング(2025年10月)

順位雑誌名出版社部数前年比
1位美的小学館125,667部+10.0%
2位VoCE講談社96,667部-4.6%
3位MAQUIA集英社80,000部+6.7%
4位SPUR集英社58,333部+18.2%
5位美ST光文社55,500部+10.0%

美的の首位奪還

前期記事で「VoCE首位返り咲き」と報じましたが、わずか1四半期で美的が再逆転しました。美的は125,667部に対しVoCEは96,667部と、その差は 約29,000部 にまで広がっています。

美的が強さを取り戻した理由は明確で、 韓国コスメ現品付録の4バージョン展開 です。TIRTIRやrom&ndなど、SNSで話題の韓国コスメブランドの現品サイズを毎号付録に付けることで、「付録だけで元が取れる」という購買動機を作り出しています。

VoCEの反動減

一方のVoCEは前期の+12.3%から一転、-4.6%に。前期はマルチバージョン展開と高級ブランド付録で好調でしたが、美的の韓国コスメ攻勢の前に勢いを失った形です。

5誌中4誌がプラス成長

注目すべきは、VoCEを除く4誌(美的、MAQUIA、SPUR、美ST)がいずれも前年比プラスとなっている点です。ビューティ・コスメ誌カテゴリー全体が+4.9%成長しており、雑誌市場全体が-9.2%縮小する中で、美容誌は数少ない成長領域となっています。

共通する成功戦略は「韓国コスメ付録×男性アイドル増刊版」の二本柱。この組み合わせが美容誌の新しい生存モデルとして確立されつつあります。


週刊少年ジャンプの動向

100万部攻防の継続

現状:

  • 最新部数(2025年10月): 1,022,500部

  • 100万部まで: あと22,500部

  • 四半期あたり減少ペース:約2-5万部

直近の推移

  • 2023年07月:1,160,833部

  • 2023年10月:1,133,846部

  • 2024年01月:1,130,000部

  • 2024年04月:1,093,333部

  • 2024年07月:1,098,231部

  • 2024年10月:1,075,000部

  • 2025年01月:1,078,333部

  • 2025年04月:1,047,500部

  • 2025年07月:1,026,667部

  • 2025年10月:1,022,500部

前期予測の振り返り

前期の記事では「2025年10-12月期での100万部割れがほぼ確実」と記載しましたが、結果としては 1,022,500部 でギリギリ維持しています。前四半期(1,026,667部)からの減少幅は-4,167部と、近年の四半期あたり減少ペースとしては比較的小幅にとどまりました。

苦戦が続く背景

  • 呪術廻戦完結後の柱不足

    • 2024年に完結した「呪術廻戦」に代わる大型タイトルが不在

    • 新連載の定着率が低く、短期打ち切りとなるケースも

  • ジャンプ+の成長との対比

    • デジタル版「少年ジャンプ+」は累計ダウンロード数1億を突破

    • 紙の本誌からデジタルへの読者移行が不可逆的に進行

今後の展望

100万部ラインの維持は四半期ごとに厳しさを増しています。次期(2026年1-3月期)のデータ公開時には、いよいよ100万部割れとなる可能性が高い状況です。


ハルメクの動向

前四半期からの微増

印刷部数の推移:

  • 2024年10月:477,333部

  • 2025年10月:471,333部

  • 前年同期比:-6,000部(-1.3%)

直近の推移

  • 2023年07月:455,333部

  • 2023年10月:450,000部

  • 2024年01月:488,667部

  • 2024年04月:489,333部(ピーク)

  • 2024年07月:481,333部

  • 2024年10月:477,333部

  • 2025年01月:483,667部

  • 2025年04月:481,000部

  • 2025年07月:468,333部

  • 2025年10月:471,333部

前年同期比ではマイナスですが、前四半期(468,333部)からは**+3,000部の微増**に転じています。2025年7月を底に下げ止まりの兆しが見えます。

シニア誌市場のリーダーとして

ハルメクは50代以上の女性をターゲットとしたシニア誌のトップランナーです。過去のブログでも触れた通り、CPO(1読者あたり獲得単価)の上昇が課題となっていますが、47万部台を安定的に維持できている点は評価できます。


総括

2025年10-12月期の雑誌印刷部数動向から見えてきた重要なポイント:

1. 美容誌の「付録×アイドル」戦略が業界の生存モデルに

美的・SPUR・美ST・Harper's BAZAARの成功が示すのは、 韓国コスメ付録+男性アイドル増刊版という二本柱戦略の有効性 です。複数バージョンの同時展開で異なるファン層を取り込むこのモデルは、美容誌に限らず他カテゴリーにも応用可能な成功パターンと言えます。

2. 海外エンタメIPが新たな成長ドライバーに

K-POP(SPUR、Harper's BAZAAR)、中国ゲーム(PASH!)、韓国コスメ(美的)と、 海外発のIPを活用した雑誌が軒並み成長 しています。国内コンテンツだけでは部数維持が困難な時代に、海外IPの取り込みが生き残りの鍵となりつつあります。

3. 週刊少年ジャンプの100万部防衛ラインが継続中

前期「ほぼ確実に割れる」と予測しましたが、1,022,500部で辛うじて維持。ただし減少トレンドは変わらず、 100万部割れは時間の問題 です。日本の出版文化の象徴的な数字がどこまで持ちこたえるか、引き続き注目です。

4. 週刊誌の構造転換が始まった

週刊現代の月2回刊への移行は、 週刊誌というビジネスモデルの限界 を象徴する出来事です。デジタルニュースとの速報性競争に敗れ、発行頻度を落とさざるを得ない現実は、他の週刊誌にとっても他人事ではありません。

5. アイドル情報の「脱・紙媒体」が不可逆的に

Myojoの2期連続大幅減(前期-33.8%、今期-23.9%)は、 STARTOのSNS解禁によってアイドル情報誌の独占価値が消滅した ことを示しています。アイドル情報の入手チャネルが完全にデジタルへシフトし、紙媒体への回帰は見込めない状況です。


以上、2025年10-12月期雑誌印刷部数の分析レポートでした。

※各種データは下記サイトからAIを使って分析いただけます

https://magazine-circulation-analyzer.onrender.com/

この記事は、一般社団法人日本雑誌協会が公表する印刷部数データを基に、独自の分析を加えたものです。