「ChatGPTやClaudeの回答に、自社の名前が出てきた!」。そんな嬉しい報告があっても、アクセス解析を見るとサイトへの流入は全く増えていない……。こんな経験はありませんか。
AIは、私たちのサイトの「どこ」を読んで、その名前を出しているのでしょうか。ここが見えなければ、具体的な対策(打ち手)は立てられません。
そこで今回は、生成AI「Claude」の検索メカニズムを分解してみました。裏で何が起き、Claudeが実際に「何を読んでいる」のかを実測します。そこから見えてきた「AIに拾われる文の書き方」を解説します。
AIの回答は「その場の検索」で作られている
最近のClaudeは、質問を受けるとその場でWeb検索を実行して答えます。これは「動的フィルタリング検索」と呼ばれる仕組みで、Claudeが検索結果を内部で選別し、回答に溶け込ませます。過去に学習した知識だけで答えているわけではありません。
この「動的フィルタリング(dynamic filtering)」は、ヒットした検索結果をまるごと受け取るのではなく、質問に関係する部分だけをその場で絞り込んでからClaudeに渡す仕組みだと説明されています(Anthropic社公式ドキュメント「Web search tool」)。
自社の情報が「AIの回答に載る」道は、2つあります。ひとつは、AIが事前に学習した知識だけで答えるパターン。もうひとつが、その場の検索でヒットした情報をもとに答えるパターンです。どちらか一方でも、回答に登場します。
このどちらかを狙っていく取り組みが、LLMO(大規模言語モデル最適化)です。今回の記事で解剖するのは、後者の「検索でヒットする」道になります。
実測:Claudeが読んでいるのは「Braveの抜粋」

当社がさまざまな検証を重ねた結果、Claudeが読んでいたのは、検索エンジン「Brave」がページ本文からコピーした抜粋でした。内部の検索・選別プロセスは暗号化されて外からは見えないため、Claudeが返す検索結果と、BraveのAPIデータを同じ質問で何度も突き合わせて確かめました。
裏の検索エンジンは「Brave」で確定
同じ質問で比較したところ、タイトルは99%一致し、URLも大半が一致しました。ページの取得時刻もBraveが持つ値と同じです。これにより「Claudeの検索入力=Braveの検索結果」であることが、実測から確定しました。
実際、2025年3月にはAnthropic社公式のサブプロセッサ(データ処理の委託先)一覧に「Brave Search」が追加されました。この動きはTechCrunchも2025年3月21日に報じています。

Braveの応答には、Q&Aや動画など、いくつもの区画があります。ですがClaudeに渡るのは、通常のWebページの区画だけでした。各ページからClaudeが受け取るのは、タイトル・URL・日付・本文の4つです。
読んでいるのは、要約ではなく「そのままのコピー」
さらに分かったのは、Claudeが受け取っていたのは、ページ全文でもAIによる要約でもないということです。
Braveがページ本文から切り出した「抜粋(逐語コピー)」を読んでいました。当社の照合では、抜粋と本文の一致率はほぼ100%。あなたが書いた数字や事実が、加工されずにそのままAIへ届いている、ということです。
抜粋は「固定のチャンク」から「意味」で選ばれる
Braveの抜粋は、あらかじめ固定された「チャンク(塊)」の中から、質問に意味の近いものが選ばれています。行き当たりばったりに切り出しているわけではありません。
チャンク(塊)は固定、選ばれるのはクエリ次第

Webページは、あらかじめ「チャンク(塊)」と呼ばれる単位に分割されています。当社が集計したところ、1つのチャンクの文字数は中央値150字(平均157字)でした。1ページにつき、主な抜粋と追加の抜粋を合わせて、およそ5つのチャンクがClaudeに渡されます。
同じページに違う質問を何度も投げて検証したところ、別の質問でも「同じ切れ目の抜粋」が繰り返し現れました。ページは事前に文や段落の単位で分けられ、質問に合わせてその塊が使い回されている、ということです。

言葉がなくても「意味」が合えば拾われる

選ばれる基準は、キーワードの一致ではありませんでした。ページ内に質問の言葉そのものがなくても、意味が近ければ、そのチャンクが選ばれます。
逆に、キーワードを不自然に並べただけで意味の薄い箇所は、選ばれにくくなります。図書館の司書が、言葉尻ではなく「内容」で本を選ぶのに似ています。
結論:Claudeに拾われる文の書き方 5つのポイント
なお、これらは「Braveの検索結果に自社が載っている」ことが前提です。まずBraveで自社を検索し、出てこなければBraveのURL送信ツール(search.brave.com/submit-url)から登録します。そのうえで通常のSEO(適切なタイトル・内容・被リンク)を整えることが、Claude対策の土台になります。
Claudeに拾われる文の書き方は、当社の実測データから次の5つに絞られます。「Claudeが何を読んでいるか」という土台の上に立つ、具体的な打ち手です。
1. 想定質問ごとに、単体で答えきる150字の文を書く
抜粋は前後の文脈を切り離して使われます。そのため、その一節(約150字)だけで意味が通じ、質問に答えきっている文が、そのまま拾われます。
2. 要点をページ全体に散りばめる
「特定の箇所に載れば勝ち」というわけではありません。いろいろな質問に答えられるよう、多面的な情報をページ内に散りばめることで、拾われる機会が増えます。
3. 数字や事実は、正確な一文に閉じ込める
抜粋は本文の逐語コピーです。主語をぼかさず、事実や数字をそろえた明確な一文にすることで、AIに正確な情報が届きやすくなります。
4. キーワードの詰め込みをやめる
選ばれる基準は「意味の近さ」です。同じ単語を何度も繰り返すより、その話題について意味の通る文で明快に書くほうが効きます。
5. 成果を「引用リンクの数」だけで測らない
Claudeの動的検索では、引用リンクが表示されない(引用数がゼロになる)ケースも確認されています。しかし、リンクがなくても本文は使われ、回答内で言及はされます。成果はリンク数ではなく、「回答の中で言及されたか」で測るべきです。

なお、ここまではClaudeの話です。裏で使う検索エンジンはAIごとに違い(Claude=Brave、ChatGPT=Bing、Gemini=Google)、拾われ方も少しずつ変わります。他のAIとの違いは、記事末尾のよくある質問でも触れます。
まとめ
一言で言えば、Claudeに拾われる文とは「前後を読まなくても、それだけで質問に答えている150字」です。
Claudeは全文や要約ではなく、Braveがコピーした150字の固定チャンクを「意味」で選んで読んでいました。キーワードの詰め込みという従来のSEO的発想から離れ、想定質問に対して単体で答えきる文を、本文に多面的に配置しましょう。
自社がAIにどう読まれ、どう言及されているかを知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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参考・注記(本記事の調査・実測データについて)
- 裏の検索エンジンの特定:Claudeの検索結果とBrave APIの突合=当社実測(タイトル99%一致・URL大半一致・page_ageはBraveのクロール時刻)。
- BraveがAnthropicの検索基盤であること:Anthropic公式のサブプロセッサ一覧に「Brave Search(Web search)」が掲載されています(2025年3月追加)。この点はTechCrunchも報じています。
- ChatGPTの検索基盤について:Microsoftが2026年6月にBing基盤のAIエージェント向け検索API「Web IQ」をリリースしました。「ChatGPTがWeb IQを使う」の直接断定は要確認(Bing基盤、まで)。
- Claudeが受け取る情報:当社実測により、Webページの区画のみ・4フィールド(title/url/page_age/本文)と特定(検索結果は全件 web_search_result 型)。
- 抜粋の逐語性・固定チャンク・意味選択:当社実測(抜粋の中央値150字/1ページ約5チャンク/別質問での境界再現・文境界整列/同義語でも該当段落を取得)。
- 引用が消える現象:Claudeの動的フィルタリング検索にて当社実測により確認。
- 本調査の限界:検索アルゴリズムが純粋なベクトル検索かハイブリッドかは未確定(意味成分が強いことまで確認)。検証題材はWikipediaが中心で、企業サイト等での追試の余地があります。また、暗号化された本文の生データを直接見たわけではなく、外側からのデータ一致により確定できる範囲を示したものです。
参考リンク
- Anthropic「Subprocessors」(Brave Searchを検索の委託先として掲載)
- TechCrunch「Anthropic appears to be using Brave to power web searches for its Claude chatbot」(2025-03-21)
- Search Engine Land「Microsoft releases Web IQ, powered by Bing but designed for how AI-agents search」(2026-06-02)
- Brave Search URL送信ツール(自社URLをBraveのインデックスに直接知らせる)






