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中小企業のLLMO対策、頼み先は3タイプ|計測止まりで終わらない会社の選び方
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中小企業のLLMO対策、頼み先は3タイプ|計測止まりで終わらない会社の選び方

ChatGPTで競合は出るのに自社は出てこない。中小企業のLLMO対策を頼める会社を「ツール型」「SEO会社発」「PR会社発」の3タイプで整理しました。計測と打ち手は別物で、生成AIが引用する情報の84%はアーンドメディア(第三者評価)です。計測が無料化した今、契約前に確認すべき指標と、失敗しない会社の選び方を解説します。

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主なポイント

頼み先は3タイプ。LLMO対策を頼める会社は「ツール型」「SEO会社発」「PR会社発」に分かれ、同じ看板でもできることと限界が違います。 ・計測と打ち手は別物。生成AIが引用する情報の84%は、報道記事や第三者のレビューなどのアーンドメディアです(Muck Rack調査・2026年5月)。この「第三者に語られる状態」を打ち手としてつくれるのは、広報を本業とする会社です。 ・計測は無料化が始まった。Microsoftは2026年7月、無料のAI可視性計測を公開しました。「計測できます」だけでは、もう会社を選ぶ理由になりません。 ・見極めの物差しは2つ。何をどう測ったか(対象と取得方法)を開示できるか。そして担当者が「AIへの学習」と「検索経由の引用」を区別して説明できるか。 ・「まず測って様子見」では遅い。AIの"意味の地図"では、競合が先に色を塗り進めています。診断で現状をつかみ、計測と同時に第三者評価づくりの打ち手を走らせます。

「ChatGPTで調べると、競合は出てくるのに自社は出てこない」。最近、こうした相談が増えています。

対策を掲げる会社に頼んでみたものの、渡されたのは順位やスコアの一覧表だけ。数字は見えても、では何をすればいいのかが分からない。これがLLMO対策でつまずく典型です。「計測」と「打ち手」を混同したまま会社を選ぶと、この落とし穴にはまります。

LLMO(AIO・GEO)とは何か

LLMO(AIO・GEO)とは何か。生成AIが答えをつくるときに自社の情報を引用・言及・推奨してもらう取り組みを表した図

LLMO(Large Language Model Optimization=大規模言語モデル最適化)とは、ChatGPTやGeminiなどの生成AIが答えをつくるときに、自社の情報を引用・言及・推奨してもらうための取り組みです。出典として引用される、回答の中で名前が言及される、おすすめとして推奨される、と段階があり、ビジネスに直結するのは推奨されることです。検索エンジンで自社サイトを上位に出す従来のSEOと違い、狙うのは「AIの回答の中で言及・推奨されること」です。AIO(AI最適化)やGEO(生成エンジン最適化)とも呼ばれますが、指しているものはほぼ同じと考えて差し支えありません。

SEOとの違い

SEOは「クリックしてもらう」ための施策、LLMOは「引用・言及・推奨してもらう」ための施策です。SEOでは検索結果で上位に出て、ユーザーに自社サイトへ来てもらうことを目指します。LLMOでは、ユーザーがサイトを訪れる前に、AIの回答の中で自社が語られることを目指します。ゴールの場所が、検索結果ページからAIの回答へと移った、という理解が近いです。

LLMO対策は誰に頼める?大きく3タイプ

LLMO対策を頼める3タイプ(ツール型・SEO会社発・PR会社発)の違いを整理した図

LLMO対策を外部に頼むとき、選択肢は大きく3つに分かれます。ツールを使って自社で動かす「ツール型」、検索対策の会社が提供する「SEO会社発コンサル」、広報の会社が提供する「PR会社発コンサル」です。同じ「LLMO対策」という看板でも、できることと限界が異なります。

ツール型(計測を内製し、自分で動かす)

AIでの自社の見え方を計測するツールを契約し、社内で運用するかたちです。費用を抑えやすく、数字を自分の手元で追えるのが利点です。一方で、出てきた数字をもとに実際の打ち手を回すのは自社の仕事になります。社内に担当者がいない中小企業では、ツールを契約したものの数字を眺めるだけになりがちです。体重計を買っただけでは痩せないのと同じで、計測は出発点にすぎません。

コンサル型・SEO会社発(計測+自社コンテンツの最適化)

検索対策を本業とする会社が、その知見をLLMOに広げたかたちです。自社サイトの構造化や、記事コンテンツの改善は得意分野です。ただし守備範囲は自社サイトの中が中心になります。AIが最も重く見るのは、自社サイトの外にある「第三者の評価」です。ここにSEO発の会社は構造的に届きにくく、計測と自社改善で止まりやすい傾向があります。

このタイプで、日本のLLMO論を実質的にリードしているのが株式会社LANYです。代表の竹内渓太氏は2025年9月に書籍『強いLLMO AI検索で選ばれるためのマーケティングガイド』を出版し(発売前予約でAmazonカテゴリランキング1位)、全70ページの「LLMO白書」の公開、自社主催の「LLMO conference 2026」、ビジネス映像メディアPIVOTへの出演と、発信の量・質ともに突出しています。

「LLMO(Large Language Model Optimization)とは、AI検索で自社のコンテンツが適切に引用・参照されるように、Webサイトを最適化する施策です。」(LANY公式ブログ「LLMOとは?」/監修・竹内渓太氏)

この定義に表れているとおり、LANYの主戦場は「Webサイトを最適化する」こと、サイト側の施策です。LLMOを体系的に学びたい方には同社の発信をおすすめしますし、当社も勉強させてもらっている立場です。一方で、これから述べる「第三者に語られる状態」をつくりにいく実行は、広報の領域になります。学ぶ相手と、打ち手を頼む相手は、分けて考えて構いません。

コンサル型・PR会社発(計測+第三者評価・パブリシティの打ち手)

広報を本業とする会社が提供するかたちです。メディアへの働きかけ、調査リリースの発信、第三者に語ってもらう取り組みまでを打ち手として実行できます。AIが引用しやすい「他社に語られている状態」を、自らつくりにいける点が特徴です。弱点は技術的なSEOが手薄になりがちなことですが、計測を自前で持つ会社であれば、この弱点は補えます。

3タイプの違いを、強みと弱点で整理しておきます。

タイプ強み弱点・注意点
ツール型費用を抑えて内製できる数字を読み解く分析スキルが担当者に必要。計測の中身がブラックボックスの製品が多い。海外製は日本語対応が弱い
SEO会社発自社サイト最適化の実行力計測に寄りがちで、汎用SEOツール(Ahrefs等)の計測画面をそのまま納品するだけの会社もある。第三者評価の打ち手には構造的に弱い
PR会社発「第三者に語られる状態」をつくる打ち手を実行できるそもそもLLMOに対応できる会社が少ない

なお、この3タイプはあくまで傾向です。実際にはSEO発で第三者メディア戦略に言及する会社(前述のLANYもその一つ)など、境界をまたぐ例もあります。ここでは「どの軸に強みを置いているか」の見取り図として使ってください。

米国では、PR会社そのものが変わり始めた

米国では大手PR会社が相次いでAI検索対応を事業の柱に据え、PR会社そのものが変わり始めたことを示す図(Edelman・Weber Shandwick・Golin・Burson・5W)

表の最後に挙げた「対応できるPR会社が少ない」は、日本の話です。米国では2025年から、大手PR会社が相次いでAI検索対応を事業の柱に据えています。

時期会社動き
2025年3月Weber Shandwickデータ・技術・AIを束ねる部門「Weber I/O」を新設
2025年5月EdelmanGEO専門サービス「GEOsight」を開始
2025年9月GolinAI可視性プラットフォーム「First Answer」を発表
2025年10月Weber ShandwickGoogleと複数年契約を結び、エージェント型AI基盤「HALO」を構築(Axios報道)
2026年前半5W(旧5WPR)社名の看板を「5W, the AI Communications Firm」へ転換。5つのAIにまたがる約6億8,000万件の引用を分析した独自指標を公開
2026年6月BursonAI可視性調査「The Credibility Paradox」を公開(計測はProfoundと提携)

彼ら自身の言葉が、変化の大きさを物語っています。ニューヨークの大手独立系5Wの創業者ロン・トロシアン氏は、こう宣言しました。

「25年間、コミュニケーションの世界で最も重要なアルゴリズムはGoogleのPageRankでした。その時代は終わりました」(Ronn Torossian氏/5W創業者、2026年5月・当社訳)

世界最大の独立系PR会社Edelmanも、同じ方向を指しています。

「AIが生成する回答の上位は、お金では買えません。可視性が『買うもの』ではなく『獲得するもの』になった世界では、ブランドはLLMの出力の中で自分がどう現れるかを自ら形づくらなければなりません」(Brian Buchwald氏/Edelman・AIプロダクト統括、2025年5月・当社訳)

GolinはAIが「アーンドメディアを最も信頼できる情報源として優先する」と述べ、Bursonは「見えることと信じられることは別物」だとして、GEOを可視性から信頼性の問題へ広げました。数字にも表れています。米国のPRパーソンの61%がAI上のブランド言及を計測中または計測予定で、67%は「LLM上の可視性はPR測定の中核指標になる」と回答しました(Muck Rack調査・2025年11月)。AI検索対応は、米国ではすでに広報の本業です。

一方、日本ではこの動きがほとんど紹介されていません。宣伝会議グループのAdverTimesではLLMOやAIOの解説記事が2025年以降増えていますが、その多くは広告・マーケティングの文脈です。広報の専門誌『広報会議』の2026年の特集テーマにAI検索対応は見当たらず、米国のPR会社が事業として動いているこの状況を紹介した記事も、確認した範囲ではありません(2026年8月時点・当社調べ)。米国で広報の本業になりつつある仕事が、日本ではまだマーケティングの話題として扱われています。この空白が、「対応できる会社が少ない」の中身です。

見落とされる分岐点:「計測」と「打ち手」は別物

AIが最も重く見るのは"第三者に語られること"

生成AIが引用する情報の84%はアーンドメディア(第三者による報道・レビュー)から来ていることを示す図(Muck Rack調査)

Muck Rackが2026年5月に公表した調査「What Is AI Reading?」によると、生成AIが引用する情報の84%が、アーンドメディア(報道記事や第三者のレビュー・ブログなど、外部の第三者による言及)から来ています。ChatGPT・Claude・Geminiの回答に含まれる2,500万本超のリンクを17業種で分析した結果で、報道記事だけでも全体の27%を占めます。2025年7月からの3回の調査すべてで、アーンドメディアの比率は82〜89%の範囲に収まっています。

理由はシンプルです。自分で自分を「優れている」と書いても、読み手は割り引いて受け取ります。第三者が同じことを書けば、それは評価として通用します。AIも同じ扱いをします。

当社自身も、Microsoftの無料ツールClarityで自社を測ってみました。ツールの数値は粗く、参考程度です。それでも傾向ははっきり出ました。AIの回答に引用された自社ページは、他社と並べた比較マップ記事が中心で、個別のサービス紹介ページは1件も引用されませんでした。この比較記事自体は当社の発信で、第三者評価そのものではありません。それでも、自分を一方的に売り込むページより、比較の形で客観的な情報を並べたページのほうが引用されやすい、という傾向は見て取れます。第三者に語られること自体の効果は、この節の冒頭で示したアーンドメディア84%の数字が裏づけています。

研究でも「引用される条件」が見え始めた

学術研究も、この構造を裏づけ始めています。Sprinklrの研究チームが検索分野の国際会議SIGIR '26で発表した実験では、6種類の生成AIに対して25万2,000回の引用テストを行い、何が「最初に引用されるか」を統計的に分解しました。最も強い要因は、トピックとの関連性と、リスト内での位置。それに続いて、具体的な価格情報と新しい日付(タイムスタンプ)を含むことが、一貫して引用を押し上げていました。見出しタグの付け替えのような、フォーマットだけの変更は効果がほぼありませんでした。

「引用リストに載ること」と「回答の本文に使われること」を分けて測った研究もあります。Zhang Kaiらの分析(2026年4月)は、AI検索の引用2万1,143件を「選ばれる段階」と「回答に取り込まれる段階」の2段階で調べました。引用の数はPerplexityやGoogleが多い一方、引用したページを回答へ反映する度合い(引用影響度)はChatGPTが突出して高いという結果です。そして影響度の高いページに共通するのは、長文で、構造が整理され、意味が通り、定義・数値・比較・手順といった「抜き出しやすい事実」が豊富なことでした。

この2本から言えるのは、AIに引用されたいなら、飾りではなく中身、それも数字と日付を持った一次情報が要る、ということです。調査リリースは、まさにその『数字と日付を持つ一次情報』にあたり、研究が示す「引用されやすい中身」の条件と重なります。それを第三者メディアに載せれば、アーンドメディア84%が示す「第三者に語られる状態」も同時に満たせます。調査PRが広報の定石であり続けるのは、このためです。

だからSEO発は「計測止まり」になりやすい

自社サイトは、SEOの技術で最適化できます。しかし、第三者に語らせることは、広報の仕事です。求人票を自分で書くことと、他人に推薦状を書いてもらうことの違いに似ています。

SEO発の会社は、自社サイトの改善という打ち手までは出せます。その先、第三者評価をつくる打ち手には構造的に届きにくい。だから、計測と自社改善の提示で止まりやすくなります。これは会社の怠慢ではなく、得意分野の境界の問題です。

PR会社発が有利な理由と、その弱点

PR会社発の会社は、第三者に語らせる打ち手を本業として持っています。ここがLLMOの本丸である以上、有利な立ち位置です。弱点は技術面ですが、計測を自前で持てば補えます。当社(ガーオン)は、AI上での自社の見え方を測る仕組みを内製しており、PR会社発でありながら計測も自前でまかなうハイブリッドとして動いています。

計測は無料化した。差がつくのは打ち手

計測そのものは、もう差別化になりません。Microsoftは2026年7月9日、無料のAI可視性計測(Clarityの Topic Insights)を公開しました。誰でも無料で、AIでの自社の見え方をある程度は測れます。だから「計測できます」は、それだけでは売り物になりません。差がつくのは、その先の打ち手です。AIが最も重く見る「第三者に語られること」を、実際につくれるかどうかで決まります。

目的別 早見表(どのタイプ・どの会社を選ぶか)

※料金は2026年8月1日時点の各社公式サイトの公表情報です。契約前に必ず一次情報で確認してください。

目的向くタイプ/会社(例)料金(公式公表)
月20万円前後で実作業まで任せたいSEO会社発(例:エイチリンク)月額20万円と明記
まず計測・診断してから判断したいSEO会社発(例:メディアリーチ)モニタリング月額11万円(税込)〜/診断33万円(税込)〜
LLMOの体系的な知見に学びながらサイト側を固めたいSEO会社発(例:LANY)個別見積もり(資料請求)
自社担当がツールで内製したいツール型(例:ミエルカGEO)資料請求(ツール利用型)
第三者評価・AI上の推奨づくりまで含めたいPR会社発(例:ガーオン)初期診断は無料・本計測は個別見積もり

失敗しない選び方|契約前に確認する5つの計測指標

会社選びで迷ったら、次の5つを、契約前と契約後で「同じ質問文・同じ条件」で測れるかを聞いてください。

  1. ブランド言及率・第一推奨(AIの回答に自社が出るか、"最初の1社"として挙がるか)
  2. 引用元URL(どのページが引用されたか)
  3. 競合比較(同じ問いで競合と比べてどうか)
  4. AI経由の流入
  5. 問い合わせ

これらを同じ条件で示せない会社は、LLMOではなく"雰囲気"を売っている可能性があります。

同じ質問文で前後を比べられることが肝心です。質問を変えれば数字は簡単に動きます。条件をそろえた計測を示せるかどうかが、実力の分かれ目です。

言及の中身にも、濃淡があります。「おすすめのLLMO対策会社は?」と聞いたとき、10社の中の1社として名前が出るのと、最初の1社(第一推奨)として挙がるのとでは、価値がまるで違います。ユーザーが検討するのは、たいてい最初に挙がった数社までです。前述のSprinklrの実験でも、リスト内での位置は引用を左右する最大要因のひとつでした。だから計測でも、言及されたかどうかだけでなく、何番目に、どんな理由で挙がったのかまで取れるかを確認してください。当社の計測でも、第一推奨を取れているかを成果の中心的な指標として見ています。

数字の揺れにも注意してください。Żatuchin氏の研究(2026年7月)は、AIのブランドに関する回答1万2,933件(中東欧20ブランド・8言語・3モデル)を統計的に分解し、同じ条件でも回答が揺れる再抽出のばらつきが分散の34.8%、質問の言語が26.5%を占める一方、ブランド固有の違いは全体の約1.5%にすぎないと示しました。1回の回答は、ほとんどノイズです。単発の結果に一喜一憂せず、同じ条件で繰り返し測って傾向を見る。それが計測の前提です。

担当者は「学習」と「検索」を区別できているか

会社選びの面談で、ひとつ試してほしい質問があります。「その施策で、当社の情報はAIに学習されるんですか?」です。

ここで「はい、学習されます」と即答する担当者は要注意です。AIが自社を答えに出すルートは、大きく2つに分かれます。ひとつは学習。モデルの訓練データに情報が取り込まれることで、教科書の改訂で新しい内容が載るイメージです。改訂のサイクルは長く、どの情報が載るかを個社が狙って操作することは、ほぼできません。

もうひとつは検索経由の引用です。RAG(Retrieval-Augmented Generation=検索拡張生成)と呼ばれる仕組みで、AIは回答をつくるその瞬間に外部の検索エンジンを叩き、見つけたページを読んで引用します。図書館にたとえるなら、司書がその場で棚から本を抜いて答えてくれる方式です。LLMO対策の成果の大半は、この検索経由の引用で決まります。裏で使われる検索エンジンへの対策や、引用されやすい文の書き方が論点になるのは、このためです。

ただのRAG(AIがその場で検索して引用しているだけの仕組み)を「学習」と説明する担当者は、少なくありません。悪意というより理解不足であることがほとんどです。ただ、仕組みを取り違えたままでは、正しい打ち手にたどり着けません。「それは学習ですか、検索経由の引用ですか」と聞いて、区別して答えられるか。担当者の理解度を測る、簡単で確実な試金石です。

その数字は何を測ったのか|計測の"対象"を必ず確認する

計測ツールの数字が「何を測ったものか」を確認する6つのチェック項目(入口・モデル・会話の深さ・引用の取り方・AIの読み方・回答原文)を示す図

計測の中身に入る前に、もっと手前で確認すべきことがあります。その数字が、そもそも何を測ったものか、です。ここが不明なままの計測は、ブラックボックスです。数字は出るのに、解釈も再現もできません。無料・有料を問わず、市販の計測ツールの大半がこの状態です。

健康診断でたとえます。「あなたの数値は良好です」と言われても、どの機械で、どの条件で測ったかが分からなければ、去年の自分とも、他人とも比べられません。AIの可視性計測も同じです。契約前に、次の6点を必ず確認してください。

データのエンドポイントは明らかか(ブラウザ版か、APIか)

同じ「ChatGPTでの見え方」でも、測る入口は2つあります。ひとつは、実際のユーザーが使うブラウザ版(フロントエンド)。もうひとつは、開発者向けのAPIです。この2つは、結果が違うことがあります。ブラウザ版は検索やメモリ込みで、ユーザーが本当に見る画面に近い一方、揺れやすく、業者が安定して取りにくい面があります。APIは条件を固定して再現しやすい一方、ブラウザ版とは検索の有無や種類が異なり、別物の数字になることがあります。

危ないのは、どちらを測っているかを言わない業者です。ユーザーが見る画面を測っているつもりが、実は検索なしの素のAPI回答だった、ということが起こります。それは、あなたの見込み客が実際に目にする景色とは別物です。

どのモデルを測っているかは明らかか

「ChatGPT」ではなく、「どのモデルか(名前とバージョン)」まで示せるかを確認してください。モデルが変われば、引用のされ方も変わります。もし業者が黙ってモデルを差し替えれば、数字が改善したのか悪化したのかを見ても、それが施策の成果なのか、モデル交代の影響なのかを区別できなくなります。推移を語るなら、測るモデルを固定して明示することが前提です。

1問1答だけか、マルチターンに対応しているか

実際のユーザーは、1つの質問で終わりません。「生成AIに強いPR会社は?」と聞き、続けて「その中で中小企業向けは?」「なぜその会社なの?」と会話を重ねます。買うかどうかの判断も、推奨の理由も、この続きの会話(マルチターン)の中で出てきます。1問1答だけを測る計測は、この肝心なところを取りこぼします。とくに「なぜ競合が選ばれたのか」という理由は、続けて問い直さないと出てきません。マルチターンで、推奨とその理由まで追えるかを確認してください。

競合の選び方とURL引用の仕組みは明らかか

競合比較や「引用元URL」を見せる計測は多いですが、その作り方を説明できるかが問題です。競合は誰がどう選んだのか。自動で検出したのか、手で選んだのか。自社名の表記揺れ(正式名称・略称・英語表記)を、どう名寄せしているのか。そして引用元URLを、どうやって取っているのか。

ここは特に注意が要ります。当社の実測では、Claudeの動的な検索モードでは引用リンクが表示されないこと(引用数がゼロになること)を確認しています。だから、Claudeの引用URLを見せると謳う計測は、その取得方法を説明できなければ、数字の出どころが疑わしくなります。仕組みを言えることが、信頼の条件です。

AIが「チャンク」で読むことを踏まえているか

AIは、ページ全文をそのまま読むわけではありません。当社の実測では、Claude(裏で使うのはBrave)は本文を約150字の「チャンク(塊)」に刻み、その中から意味の近いものを選んで引用していました。この前提を知らない会社は、実際にどの一節が拾われたのかを説明できません。ただし、「チャンク化さえすれば万能」と売る会社ではなく、AIごとに実測してこの挙動を踏まえている会社を選んでください。

AIの回答原文(レスポンス)を見せてもらえるか

スコアやグラフだけを出して、AIの回答そのもの(レスポンス原文)を見せない計測は、検証のしようがありません。無料のClarityでも、取れるのは被引用数・AI経由の流入・AIが使った検索クエリまでで、回答の原文は見えません。有料ツールでも、原文を開示しない製品が大半です。数字の根拠になった回答を、そのまま見せてもらえるか。契約前に確認してください。

対象(入口・モデル・会話の深さ・引用の取り方・AIの読み方・回答原文)が不明な計測は、数字が出ても意味を読み取れません。対象を言えないブラックボックスの計測は、危険です。

当社の計測は、測る入口とモデルを明示し、観測した回答の原文をすべて保存・開示できることを前提にしています。何を測ったかを言えることが、数字を比較可能にする最低条件です。

そして一番の核心は「プロンプト設計」|顧客が実際に打つ言葉を測れるか

LLMO計測の核心はプロンプト設計。顧客が実際にAIへ打ち込む言葉で測れるかどうかが、計測の質を左右することを示す図

エンドポイント、モデル、マルチターン、引用の仕組み。ここまでは計測の"作り方"の話でした。しかし、もっと上流に、一番の核心があります。そもそも、どんなプロンプト(AIへの入力文)で測るのか、です。

従来のSEOには、ユーザーが実際に検索した言葉を知る手立てがありました。検索コンソールやキーワードツールです。ところがLLMOでは、ユーザーがAIに打ち込んだ言葉(プロンプト)は、AI提供各社から共有されません。だから「どんな言葉で自社にたどり着いたのか、あるいはたどり着けなかったのか」が見えにくい。ここが最大の難所です。

海外では、Profound(プロフォウンド)のような先行企業が、実ユーザーの会話データの確保に大きな資金を投じています。同社は2026年2月に評価額10億ドルで9,600万ドルを調達し、二重オプトイン(利用者が明示的に二段階で同意)した消費者パネルから、実際のAIとの会話データをライセンス取得しています。実際の会話に近い"本物のプロンプト"を確保することが、計測の質を左右するからです。

一方、日本語のプロンプトはデータが薄いのが現実です。顧客がどんな言葉でAIに流入しているかを計測する策は、まだ大きな課題として残っています。

「AI可視性にいち早く対応した」とされるツールもあります。たとえばMicrosoft Clarityです。ただ、実際に取れるのはAI経由の流入や、AIが回答をつくる際に使った検索クエリまでです。このクエリについてはMicrosoft自身が「ユーザーが実際に入力した語句とは異なる場合がある」(原文は英語、当社訳)と明記しています。表面のキーワードは見えても、その裏にある本当のプロンプトと会話の流れは、依然として見えないままです。

だから、計測の質は「どのプロンプトを測るか」の設計で決まります。AIが生成した検索クエリの語で代用したり、汎用の質問文で済ませたりすると、顧客の実像からずれた数字になります。当社は、このプロンプト設計を計測の中心に置いています。キーワード調査で見える質問形の検索語、たとえば「中小企業におすすめのLLMO会社は?」のような実際の問いを手がかりに、顧客が本当に打つ言葉へ近づけています。

「AI対策は不要」論の落とし穴|挙動はAIごとに違う(当社実測)

一般には「AI向けの特別な対応(専用ファイルの設置など)は不要で、良質なコンテンツが大事」と言われます。これ自体は半分正しい。ただし、それは主にGoogleについての話です。

Googleは公式ドキュメントで「AI OverviewsやAIモードに表示されるための追加要件はなく、特別な最適化も不要」「新しい機械可読ファイルやAI用テキストファイル、マークアップを作る必要はない」と明言しています(引用はいずれも当社訳)。AI向けの案内ファイルとして話題のllms.txtについても「Google検索はこれを無視する」という立場です。

しかし、裏で使う検索エンジンは、AIごとに違います。ChatGPTはBing、GeminiはGoogle、そしてClaudeはBraveを使います。しかも各社は、AIエージェント専用の検索を製品化し始めています。Microsoftは2026年6月、Bingを基盤としたAIエージェント向けの検索API「Web IQ」を発表しました。Microsoftの公式発表にChatGPTの名前はありませんが、業界メディアのSearch Engine Landは、Microsoft幹部への取材をもとに「ChatGPTがWeb IQを利用している」と報じています。当社が実際にBraveを叩いて測ったところ、Claudeはページ本文を約150字の「チャンク(抜粋)」に刻み、その中から前後を読まなくても意味の通る一文を選んで引用していました。Claude対策では、文の"自己完結性"が実際に効いていた、ということです。

だから「AI対策は不要」も「これさえやれば勝てる」も、どちらも雑な物言いです。正しくは、AIごとに挙動が違うので、一律のトリックではなく、実測して打ち手を変える。当社はこの違いを、公式発表の引用ではなく、生データで測っています。

こんな会社に注意(一律の万能策を売る会社)

「この専用ファイルを置けば大丈夫」「外部リンクを大量に付ければAIに載る」「一律のチャンク化で解決」。こうした万能策を売る会社には注意してください。「御社の情報をAIに学習させます」という説明だけで、検索経由の引用と区別しない会社も同様です。AIごとの実測を示さないまま「これで万能」と言い切る時点で、疑ってよいサインです。効くのは結局、独自性のある一次情報と、信頼できるコンテンツです。

研究の側からも、施策の限界線が引かれています。Martinez氏が45本の研究を横断した批判的サーベイ(2026年7月)の結論では、書き方の改善で効果が確認されているのは「すでに検索で見つかっている文書の、引用のされ方を変える」ことまでで、ゼロから発見されるようになる効果を安定して示した施策は、その中に1つもありませんでした。引用狙いの書き換えが、かえって検索段階で不利に働きうるという指摘もあります。棚から選ばれる順番は変えられても、そもそも棚に並ぶかは別問題です。では何が棚に並べてくれるのか。先に見たとおり、AI引用の84%はアーンドメディアでした。棚に並びにいく現実的な方法は、第三者メディアに語られることだと考えられます。

「まず測って様子を見る」では遅い|AIの"意味の地図"は今も塗られている

AIの意味の地図(ベクトル空間)で競合が先に自社の色を塗り進めているイメージ図。まず測って様子を見る間も競合は前進している

最後に、時間の話をします。「まず測って、結果を見てから考えましょう」という進め方は、一見手堅く聞こえます。しかし当社は、これをおすすめしません。測って様子を見ている間も、AIの中では競合の存在感が濃くなり続けているからです。

AIは、言葉や概念どうしの近さを「意味の地図」のような形で持っています(技術的にはベクトル空間と呼ばれます)。当社の解釈では、LLMOの実態は、この地図の上で自社が勝ちたい一角(「中小企業向けのLLMO会社」「防災に強いメーカー」といった領域)に、自社の色を塗っていく作業に近いものです。

そう捉えると、この記事で述べてきたことがひとつにつながります。どの空間を狙うのかを決めるのが、プロンプト設計。その空間が今どう塗られているのかを確かめるのが、診断です。そして競合がすでに濃く塗った空間なら、学習済みの色を今から塗り替えることはできません。勝つには検索経由の引用で、回答がつくられるその瞬間に割り込むしかありません。

この割り込みは、一度きりの露出では終わりません。検索経由で引用され続けた第三者メディアの記事やレビューは、ウェブ上に蓄積として残り、次のモデル改訂の際に学習データへ取り込まれていくと見られます。教科書のたとえに戻れば、今日の第三者記事の蓄積は、次の改訂版に載る原稿の下書きです。今日の検索経由の露出が、未来のAIにとっての「地の色」になります。

測って様子を見ている数ヶ月は、競合が地図を塗り進めている数ヶ月です。計測は即日始められます。打ち手は、計測と同時に走らせてください。

中小企業のためのLLMO対策の始め方

まずスポットの診断で現状を"計測"する

いきなり年間契約を結ぶ必要はありません。まずは自社がAIにどう見えているかを、スポットの診断で把握します。当社のAI Pulseは、主要6LLM(ChatGPT/Claude/Gemini/Perplexity/Grok/Llama)の有料・無料モデルあわせて計11モデルと、GoogleのAI検索面2種(AI Overviews/AIモード)を毎日観測しています。現状が分かって初めて、打ち手の優先順位が決まります。

第三者評価・パブリシティで"打ち手"を回す(ここが本丸)

計測の次が本丸です。調査リリースやメディアへの働きかけで、第三者に語ってもらう状態をつくります。ここはツールでもSEO改善でも届きにくく、広報の実行力が要る領域です。当社は調査の設計からメディアへの働きかけまで、この打ち手を一気通貫で回します。前章のとおり、打ち手は計測の結果待ちにせず、同時に走らせます。

中小企業におすすめのLLMO対策会社は?

一概に「この1社」とは言えません。目的によって答えが変わるからです。月20万円前後で実作業まで任せたいなら実行型のSEO会社、LLMOの体系的な知見に学びながらサイト側を固めたいならLANYのような専門会社、まず計測から入りたいなら診断メニューのある会社が向きます。第三者評価・AI上の推奨づくりまで含めたいなら、計測を内製し中小企業に伴走できる会社が向きます。当社はこの最後の位置づけで、中小〜中堅企業を対象にしています。

LLMO対策の費用相場はどれくらい?

施策の範囲によって幅があります。2026年8月時点の公表例では、有料の診断はスポット33万円(税込)〜という水準で、継続的なコンサルティングは月額11万〜33万円(税込)程度からが目安です。一方で、初期のヒアリング・診断を無料で提供する会社もあります(当社もその一つで、初期診断は無料・1〜2週です)。ツール型は料金非公開(資料請求)の会社が多く、無料の簡易計測(Microsoft Clarityなどのツール)から自分で始める手もあります。大切なのは金額そのものより、その費用で何を測り、どんな打ち手まで回すのかを、契約前に文書で確認することです。

LLMO診断では何がわかる?

診断でわかるのは、主に「AIが自社をどう扱っているか」です。どの問いで自社が出て、第一推奨を取れているか。どの問いで競合に負けているか。どのページが引用され、どこで割り引かれているか。当社の診断では、これを主要な生成AIごとに分けて示します。AIごとに裏の検索エンジンが違うため、1つのAIで見えても別のAIでは見えないことがあるからです。

まとめ

たった1行で言えば、LLMO対策会社は「正しく測れて、打ち手まで出せるか」で選ぶ、ということです。正しく測るとは、顧客が実際に打つプロンプトを、対象(入口とモデル)と取得方法を明示して測り、第一推奨まで追うこと。打ち手の本丸は、AIが最も重く見る「第三者に語られること」で、そこは広報の領域です。会社を選ぶときは、本記事のチェック項目を同じ条件で示せるか、そして担当者が「学習」と「検索経由の引用」を区別して説明できるかを確認してください。

計測は即日始め、打ち手は同時に走らせてください。AIの"意味の地図"は、今日も塗られています。自社がAIにどう見えているかを知りたい方は、まずはLLMO診断からご相談ください。

LLMO診断・第三者評価づくりのご相談

自社がAIにどう見えているかを知りたい方は、AIでの見え方を可視化するAI PulseでのLLMO診断からご相談ください。プレスリリースをAIで添削するPressNaviもあります。ご相談はこちらからお気軽にどうぞ。

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参考文献・参考リンク

よくある質問

Q.中小企業におすすめのLLMO対策会社は?

一概に「この1社」とは言えません。目的によって答えが変わります。月20万円前後で実作業まで任せたいなら実行型のSEO会社、LLMOの体系的な知見に学びながらサイト側を固めたいならLANYのような専門会社、まず計測から入りたいなら診断メニューのある会社が向きます。第三者評価・AI上の推奨づくりまで含めたいなら、計測を内製し中小企業に伴走できる会社が向きます(当社はこの位置づけです)。

Q.LLMO対策の費用相場はどれくらいですか?

施策の範囲によって幅があります。2026年8月時点の公表例では、有料の診断はスポット33万円(税込)〜、継続的なコンサルティングは月額11万〜33万円(税込)程度からが目安です。一方で初期のヒアリング・診断を無料で提供する会社もあります(当社もその一つです)。ツール型は料金非公開の会社が多く、無料の簡易計測(Microsoft Clarityなど)から自分で始める手もあります。金額そのものより、その費用で何を測り、どんな打ち手まで回すのかを契約前に文書で確認することが大切です。

Q.LLMO診断では何がわかりますか?

主に「AIが自社をどう扱っているか」がわかります。どの問いで自社が出て第一推奨を取れているか、どの問いで競合に負けているか、どのページが引用されどこで割り引かれているか。当社の診断ではこれを主要な生成AIごとに分けて示します。AIごとに裏の検索エンジンが違うため、1つのAIで見えても別のAIでは見えないことがあるからです。

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